HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

人に期待しないということ

不幸なことに、私の受けた「人生のレッスンその1」は「人に頼らないこと」であった。とにかく独りで自分の始末をつけ、生き抜いていくことが必要なのだと、人生のごく始まりに学んだ。

それが親であれ、友人であれ、他人に期待すれば必ず裏切られるというのが私の基本的な人生観であった。それは、自分の能力と力の不足によって自分自身も人から期待された役割を果たせないのではないかという不安の裏返しであったのかもしれない。

だからこそサイモン&ガーファンクルの「I Am A Rock」が痛いほど伝わった。まだ連載中であった「はみだしっ子」にも共感した。

A winters day
In a deep and dark december;
I am alone,
Gazing from my window to the streets below
On a freshly fallen silent shroud of snow.
I am a rock,
I am an island.


I've built walls,
A fortress deep and mighty,
That none may penetrate.
I have no need of friendship; friendship causes pain.
Its laughter and its loving I disdain.
I am a rock,
I am an island.

(中略)

And a rock feels no pain;
And an island never cries.

I Am A Rock Lyrics - Simon And Garfunkel

はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫)

はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫)

冬のある日、
そう、雪の積もる暗い12月のこと、
僕は独りだった。
部屋の窓から下の通りを見つめてた、
ふったばかりの雪が静かに積もっているのを。
僕は岩だ。
僕は島だ。


僕は壁を作った。
高くそびえる、堅牢な砦だ。
誰も侵入できない。
友情なんていらない。友情なんて苦痛を産むだけだ。
友情で笑いあうことも、友愛を感じることも、軽蔑してやる。
僕は岩だ。
僕は島だ。


だって、岩は苦痛を感じないから。
だって、島は泣くことがないから。