HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「百年に一度」ではない、まったくない

あいかわらず一日遅れ日記。

今、世界は、「百年に一度」とも呼ばれる金融危機の中にあります。

確か、前回の金融恐慌は1930年前後だったのでは?そもそも、まだ百年たっていない。この10年の間でもアジア通貨危機など金融危機といわれる状況は何度も起こっている。その根本原因を探るのは、今度の8日の勉強会の機会に譲るとしても、百年に一度と計算する方法がそもそも間違っているとなぜまだ気付かないのだろうか?

禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン

禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン

本書によれば、1960年代、CAPM成立よりも早くマンデルブロは綿花市場の価格変動がべき分布していることを発見していた。しかし、ノーベル記念スウェーデン銀行賞などでとりあげられたブラック−ショールズのような正規分布を基にした金融値付が一般化されてしまった。ながいながい、しかし決して0にはならないリスクのテールを持つべき分布がリスク計算に使われていたら、今回のような危機が百年に一度しか起こらないなどとは決して言えないだろう。

しかも、このタイミングで消費税に言及するわ、真水が2、3兆円しかないものを30兆円のパッケージだというは、もうフォロワーにこいつについていけばメシが喰えると思わせるのがリーダーの仕事であるのに、こりゃだめだと思わせることしかしないのは、参謀がいけない。

再度稲盛和夫塾長のお言葉を引用。

官僚、つまり国家公務員はいったい、誰のために仕事をしているのでしょうか。国家公務員は、パブリックサーバント、公僕として、国民のためによかれと思われることを実行し、その生活を豊かで平安がものにすることが本来の職務であるはずです。

ところが、日本の社会は、もともと「お上意識」が強く、行政官には「国のために仕事をする」という考えが深く根付いています。そのため、国家のために国民犠牲になることも仕方がないと考えたり、国家経営を任されている自分たち行政官が国民を統治していると錯覚しがちです。

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