「弾言」読ませていただいた。

- 作者: 小飼弾,山路達也
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2008/09/25
- メディア: 単行本
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すくなくとも3年前にはDanさんとうまくコミュニケーションとれなかった。
横から、danさんが「そうそう、『京』くらいの単位の円があってもおかしくない。」【あれ、ちょっと趣旨が違うような...酔っ払っていて覚えていない...orz】と合いの手を入れてくれたにもかかわらず、切込隊長さんに「君は全然経済がわかってないよ。市場っつうのは期待でできているんだ。」といわれて撃沈!
東京ブロガーカンファレンス 雑感 tokio blogger conference: HPO:個人的な意見 ココログ版
私は必死に「貨幣は生成することもあれば、消滅することがあるのではないか?ただただ積み上げた貨幣の山の方が、リアルの価値をうわまわっちゃうんじゃないの?」ということは言っていたように思うのだが、それがDanさんに通じたか、切込隊長山本氏に伝わったかはわからない。まして、そういう会話をさせていただいたことをいまの金融情勢から振り返ると感慨深いものがある。
「弾言」のここにぐっと来た。
カネ ≒ モノ → カネ ≒ ヒト
まさに、Danさんがおっしゃるカネがモノを図る尺度だとすれば、もうはるか昔に貨幣は崩壊している。しかし、カネがヒトを図る尺度だととらえればほんとうに「京」円の世界も見えてくる。*1
カネで図るものはヒトということを私流に言いかえれば、お金とはヒトの時間を図る尺度なのだということになる。
ローンって本当にすごい発明なのは事実だ。未来という時間を売るから、今お金を使わせてもらうという時間軸と空間軸の変換みたいなことで、家が建ち、都市ができる。
しかし、「未来の時間」を「現在の空間」に変換する時には「信頼」という変換式の係数がある。信頼の逆数が利子であるということは以前にどっかで書いた。いま現在のローンの仕組みは客観的なものとして「信頼」を扱っているのだが、実はこれはコミュニティー、もっと言えば「私とあなた」の間の関係というごくプライベートで主観的なものなのだ。
サブプライムと時間泥棒 - HPO:機密日誌
いや、"Winner takes all"なこの世の中のことをDanさんは指摘していらっしゃるわけだから、私の言い方の方が雑だ。"Winner takes all"で、「カネがあばれまわることがある」とDanさんはおっしゃっているが、これも私流に言えば、貨幣はべき分布的に崩壊するということになる。
逆に、貨幣が誕生してもその地位が安定的に続くのでなく、どこかで貨幣としての役割が内部状態の変化により崩壊するということが資本主義とか考える上でとても興味深いのですが、思考がループしてしまって全然先へ進めていません。
[書評]貨幣の複雑性 ecology of blogs: HPO:個人的な意見 ココログ版
貨幣の崩壊はべき分布する - HPO:機密日誌
その他、「世界の人口は減少に向かい始める」とか、「カネは人とのコミュニケーションをシンプルにするツール」とか、うんうん言いながら読んでしまった。
よい本だ。
■追記
読みやすかったのはこの方のおかげ?
*1:ちなみに、日本の国富のすべてで8400兆円だそうだ。