ランチどころじゃなくなるくらいこの本おもしろい。やはり森秀樹の「墨攻」を思い出す。
- 作者: 浅野裕一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/04/20
- メディア: 新書
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本書では、儒家を資本主義と、墨家を社会主義と、老荘を環境主義と並置している。儒教教団の末裔はしらないが、前にも書いたように孔子自身は表層に出ている以上に深いなにかを感じたうえでの言動であったと私には思える。詐欺師呼ばわりするのは、いかがなものかと。墨家についてはかなり森秀樹の「墨攻」どおりという気がする。儒者に墨者がうちかってメジャーになっていたら、中国は変わっていただろう。逆に中国では根付かない思想と行動であったともいえる。老荘からどこまでそれを引き出せるかわからないが、ここでまなぶべきなのは経済価値を超えて人類の存続のためには地球全体で生きていく思想が生まれなければならないということではないだろうか?この前の火星の話ではないが、ほんとうに我々の知覚できる時空の中で知的であり、自省できる存在は我々しかいないのかもしれないのだから。