ある勉強会に向かう途中でようやくGooニュースの全文翻訳を読むことができた。これを書いたライター、そしてオバマ大統領候補自身か側近はカール・シュミットを熟読していると思った。
まさに今日の勉強会で話されるべき話題だ。外山恒一が喝破したように自由と平等は両立しえない。ほっておけば社会はべき分布し、"winner takes all”な世界になる。平等を極端に探求すれば、社会の活発さは失われる。一番の平等とはヒットラーやスターリンが見事に証明したように、全体主義の極致の達成だ。全体主義とは、独裁者がすべてを決定する。全体主義の独裁者は、左だろうと、右だろうと、必ず社会計算論争的不可能性に陥る。
自由でもなく、平等でもなく、ただただ生成し崩壊するのが命の本質なのだ。モモがマイスターホラと見たように、時間の花は咲き、そして散っていく。本質から離れた永遠の未来を語るものは、滅びない神を信じるものだ。自由と平等などという不死の神などいない。古くなり、年をとり、腐敗し、塵にかえっていくのが私たちの人生だ。不死の神と人生とのギャップは遠かれ、近かれやってくる。
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この矛盾を一時的にモラトリアムし、人々を団結するにはカール・シュミットのいう「友と敵」に国民を分けることだ。シュミットの本に引用されている過去の立派な政治家たちが、口を極めて「敵」を非難する演説をしたか読んでみるよい。どのような文脈であれ、この段階で「友と敵」、「独裁との戦い」、「我々の敵」と名言するのは、明らかに穏やかでない国家運営を胸に抱いている。
ともあれ、前にも書いたようにかわぐちかいじの「イーグル」が見事に示しように、カラードの大統領の誕生は画期的であることには違いない。「敵」が抽象的な概念であり、日本を含む外国の勢力を示すのでないことを祈る。
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