たぶん、私の書棚の中で5年は眠っていた本。たまたま家人が本棚を整理していていらない本なのかとたずねられた。いらない本などないと豪語している私としては改めて読もうと枕頭においたのが、はや半年前。読むのはほぼ一日で読めた。早い人なら1時間で読めてしまう物語だ。
- 作者: 井沢元彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1998/10
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小説としては、井沢元彦のミステリーへのオマージュにすぎない。その出来はともかく、仮説として考え始めると止まらなくなりそうな話がいっぱいでてくる。たとえば、1940年末にチャーチルのドイツへの対抗策を考える部分だ。
一つは、イギリス攻略に失敗したドイツ軍が、その失点を取り返すべくソ連に全力を挙げて攻撃をかけた時、精強な日本陸軍がこれに呼応してアジアの側からソ連を責めないかということである。これをやられると、ソ連は滅亡の危機に陥る。(中略)
(私が日本の指導者なら、断固ソ連を攻めるところだが)
この独白が井沢先生独自の戦争観を示すラストシーンへつながる重要な伏線となるのだが、いまがに私にとっては不思議でならない戦略の選択であることは確かだ。
佐藤「いったい対ソ戦はやるつもりですか。それともやらないつもりですか。大臣のハラを承っておきたいと思います。御前会議案の『極めて』の三文字が削られた為、ずいぶん議論が起こっています。この削除によって熟柿主義が変わったのではありますまいね。この点しかと大臣のお気持ちを承りたいのです。」
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(中略)
同じ頃、佐藤賢了と密接な関係をもっていた尾崎秀実もまた、日本の北進を阻止すべく狂奔していた(3)。
GENの中でチャーチルが悩んでいるころ、日本では「北進」を阻止すべく動いている人物がいたわけだ。これが、「帝国国策要綱」につながっていくこともGENの通り。
井沢元彦の布陣で太平洋戦争の開戦を見ると、あらためて統治の正当性ってなんだろうかと考えざるをえない。
読み合わせている本もたまたま悪かったこともある。
- 作者: 渡辺京二
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/02
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それは、都市伝説と笑い飛ばしたくなる以前某所で見た写真につながってしまう。
■参照
草薙剣盗難事件(くさなぎのつるぎとうなんじけん)は、668年(天智天皇7年)に発生した盗難事件。熱田神宮の神体である草薙剣が盗まれた事件である。
草薙剣盗難事件 - Wikipedia
義満の死後には朝廷から「鹿苑院太上法皇」の称号を贈られるが、4代将軍となった子の義持は斯波義将らの反対もあり辞退している(その一方で相国寺は受け入れたらしく、過去帳に「鹿苑院太上天皇」と記されている)。
足利義満 - Wikipedia