時間泥棒という「経済活動」は結局けむりのようなものだと知るべし。
誰も自分が一番大切だ。だからといって、すべての面において自分だけを大切にしていては自分を含めてみんな消えてしまうことを私は「モモ」を読んで知った。
モモの友達のベッポを破滅においやり、グイードを村上春樹状態にしてしまい、町じゅうを灰色な世界にしてしまうほど協力だった時間泥棒、灰色の男たちも、人間一人一人の個別の時間が流れ入ってくるのを1時間止めただけで、あっというまに自滅して、煙に化してしまった。
ドクター・ホラが「大変そうに感じるかもしれないけど、あんがいうまくいくよ」みたいなことをモモに言っていたのは、灰色の男たちが自分を生かそうとするがあまり自滅することをいっていたわけだね。
この灰色の男たちの最期がなぜ自滅であったかを知ることは本当に大切なことだ。私たちは自分たちに与えられている個別の時間をお金という一般的な尺度で解釈してしまう。解釈してしまったとたんに時間泥棒にコミットすることになる。私の時間は私のものだ。私の時間は私のものだということは、勝手に使っていいということでなくて、個別であるがゆえに個別にしか使えない、人と人との絆のことでしか使えないということだ。
インフレとか、デフレとか、個別の市場における力の集積としておこるパーコレーションのようなものにすぎないのだとも知った。人力検索はてな恐るべし。
つまり、今後心配されるのは物価上昇ではなくて、さらなるリストラや賃下げなのだ。小売価格が据え置かれれば、消費者の立場としては喜ばしいかもしれないが、長い目で見るとあまり好ましくない影響が生じてくることがお分かりだろう。
石油があがったり、食品があがったりしていますが、来年は全面的… - 人力検索はてな
この認識は私が私として来年を生き抜くためにどうしても必要な認識であった。
- 作者: Michael Ende
- 出版社/メーカー: Puffin
- 発売日: 2009/01/27
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英語版をここにおく。日本語版でもよい。いまの私にひびいたのは英語版であったということだけだ。
英語版がひびくという意味では、いまこの本を読んでいる、とてもとても時間をかけて。
Letters to a Young Friend: Happy is the Man Who is Nothing
- 作者: J. Krishnamurti
- 出版社/メーカー: Krishnamurti Foundation Trust
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"Happy is the man who is nothing"
ひとつも日本語モードになったときに思い出せないのが困ったものなのだが、読んでいる時には「運動会のあとの雨のにおい」のようなとてもとてもなつかしいものがあふれてくる。
時間とはなつかしいものでると知る。そして、自分の時間は普通の意味でほかのものにかえがたいものなのだと。
えっ、あ、れ、そう訳すんだ。
致死的退屈症(ちしてきたいくつしょう)とは、ミヒャエル・エンデの小説『モモ』に登場する架空の病気である。
[編集] 症状
致死的退屈症は精神的な症状が見られる。 症状としては主に、慢性的な空虚感、抑鬱気分、絶望感、感情不安定、社会的関係への関心のなさ、情緒的な冷たさがある。
モモ (児童文学) - Wikipedia
あはは。
You feel more and more bad-tempered, more and more empty inside, more and more dissatisfied with yourself and the world in general.
A fatal illness - HPO機密日誌
■追記
experienceを「モモ」を受けて私が訳すとすれば、「私の時間」、「私特有の時間」ということになろうか?
最近ではexperienceの訳語に「体験」を当てるとしっくりしない場合も増えてきました。
小飼弾 404 Title Not Found - 【Watcherが展望する2008年】 コモディティとならざるもの:ITpro
■追記 その2
いやぁ、この方の発想に脱帽!
逓減した貨幣価値を累進課税によって、逓減化を食い止め、税の形で価値の回復を図ることは国全体の貨幣の相対的価値を高めることに貢献する。
佐藤秀の徒然幻視録:アインシュタインは累進課税を正当化する