HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

サブプライムと時間泥棒

盗むべき未来、盗むべき時間すら枯渇したということ。

Momo (Puffin Books)

Momo (Puffin Books)

現代の経済は与信を広げ、未来を現在に展開することで無数の住宅や車を作り、巨大な都市を作って来た。しかし、与信にも限界はあるという当たり前の事実をサブプライム問題は我々に突き付けたのだね。

ローンって本当にすごい発明なのは事実だ。未来という時間を売るから、今お金を使わせてもらうという時間軸と空間軸の変換みたいなことで、家が建ち、都市ができる。

しかし、「未来の時間」を「現在の空間」に変換する時には「信頼」という変換式の係数がある。信頼の逆数が利子であるということは以前にどっかで書いた。いま現在のローンの仕組みは客観的なものとして「信頼」を扱っているのだが、実はこれはコミュニティー、もっと言えば「私とあなた」の間の関係というごくプライベートで主観的なものなのだ。

つまりは「未来(時間)」を「空間」に圧縮するのはごく私的な関係の積み重ねなのだという事実を現代人は忘れがちなところに落とし穴があり、サブプライプという問題を生んだのだと考えると、ごく足元から世界のあり方を考え直すヒントになるとおもうが、如何?

住宅ローンの実施にあたっては、債務者の信用力の調査が行われる。ここで十分な信用力を債務者が有していれば、その信用に基づく貸付として、古典的な住宅ローンとして扱われる。ここで所定の古典的な基準を満たさない債務者に対する貸付を行う場合を総称してサブプライムローンと呼ぶ。債務者の所得水準が低い場合が典型的であるが、信用力を超えた借入を行って不動産投資を行う場合などにも、同様にサブプライムローンが利用されてきた。

サブプライムローン - Wikipedia

■追記

おっしゃるとおり!

お金の正体は、将来性への信用・信頼だと思うんだ

cagedworld

この辺、どう思われますか?

この問題意識に基づき考察され、シミュレーションが作られて得られた結果が、貨幣の生成と崩壊だ。
(中略)
このプロセスにおいて決定的な力を持つのが「信頼」であると私は思う。著者がシミュレーションで行ったいくつかの「実験」もこのことを裏付けるように思われる。

[書評]貨幣の複雑性 ecology of blogs: HPO:個人的な意見 ココログ版