その人の所属するコミュニティー全体が沈んでいくという感覚ではないのか?
そして、いま私が恐れるのは「ぼんやりとした不安」を抱えながらものほほんと生活していた三四郎の後継者である我々は、またこうした騒乱の世紀を生きるのことになるではないだろうかという恐怖だ。
[書評]三四郎 only yesterday: HPO:個人的な意見 ココログ版
なんというか、三四郎の生きたころに100年かけてもどっている。すでに日本は坂のてっぺんをすぎてしまたのではないかという感覚が「はたらけど、はたらけど」をより失望に追いやっているように思う。
ほんのついこの間まで、そのコミュニティーの中にいつづけさえすればコミュニティー自体が拡大していっていたので、繁栄が見えていた、希望を持つことができたわけだ。しかし、いまではそのコミュニティー自体が衰退していく兆しが随所に見えているし、そもそもコミュニティー自体があちこちでほころんでいる。
「坂の上の雲」が見れた時代とは大きく変わってしまった。
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/01/10
- メディア: 文庫
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