「ローマ世界の終焉」を読んでいると、あまりに役立つべき人間が殺し合うのにうんざりする。それは、いまスキャンダルに倒れる人々と重なる。
こう書くとあまりに非常識かもしれないが、ローマの末期でもまだ国を守るに必要な人口や資源は十分にあったに違いない。なかったのは国への信頼と献身ではないか?例のケネディの演説だ。国を守る意思を国民が失い、自分の財産にだけきゅうきゅうとするとき、国は滅びる。
国をどのようなものであれ、組織と読み替えてもいい。
塩野さんがローマの徳目の表で終えている意味は大きい。
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (74件) を見る