大変面白かった。
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
- 購入: 91人 クリック: 1,126回
- この商品を含むブログ (379件) を見る
時に応じて、まさに著者が書いているアイデアを作る5つの段階を経験したように想う。
アイデアのつくり方 - Wikipedia
- データ集め
- データの咀嚼
- データの組み合わせ
- ユーレカ(発見した!)の瞬間
- アイデアのチェック
例えば、大学時代の哲学概論レポート。
私にとっての自己を感じることの第一歩は中埜肇先生の哲学概論にもどっていく。哲学の授業の最後にレポートを提出した。認識について自分で考えるというレポートであった。
自己はひとつ - HPO機密日誌
1学期の間、私は中埜肇先生の熱心な生徒であった。ギリシア哲学から、カント、ヘーゲルに至る哲学、特に認識論の概要の概要を教えていただいた。自分の専門である認知心理学へ進むための準備として、当時自称読書家であった私は認識論、人工知能関係の本を読みあさっていた。部活などにも忙しかったので、学んだ「知識」を咀嚼する時間はいくらでもあった。ボートの上で、自転車を漕ぎながら、友人との食事のふとした瞬間、この認識論に関する課題に想いをしていた。
そして、十分に煮詰まったなと感じた瞬間がきた。まあ、実際にはレポートを書き上げなければいけない締め切り間近だったのだが・・・。自分のアイデアを紙の小片に書いて机の上並べた。並べ替えをなんどか繰り返す内に、ひとつのアイデアにまとまった。そもそも、紙の小片のアイデアが結びついてくプロセス自体が脳の中で起こっているのだと気づいた。ばらばらな知識、感覚がひとつにまとまるプロセスこそが認識であると。レポートは中埜先生からAをいただけた。
レポートをまとめ、一応認識論に関わる卒論をまとめ、就職し、結婚し、忙しい日々のうちにこのレポートのことは忘れていた。10年前にブログを始めて改めて、自分が当時なにを考えたのかとらえなおすことができた。ネットワークという新たな視点から当時のアイデアを「認識」しなおし、べき分布、ブラックスワン、マッハの原理などにたどり着いた。
ま、そんなもん。