HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

蟹は脱皮する

「蟹は脱皮する」、こんな単純なことがわかっていなかった。ある方に言っていただき自分の決定的な課題に気づいた。

以前、こう書いた。

組織の創業者は、自分が働き安いように組織をデザインする。「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」とはよくいったものだ。分相応という意味なのだろうが、創業者は基本わがままだ。 創業者の後継者は自分の「甲羅」と、組織の形という「穴」との形の差に悩む。結局、自分で穴は掘り直すしかない。あとは、堀直すだけの力量を持っているか、それだけの時間的な余裕があるかどうかだ。

蟹は甲羅に似せて穴を掘る - HPO機密日誌

このエントリーを書いた時は、組織のリーダーの後継がいかに難しいかという問題意識で書いた。「組織をデザインする」と書いたが、実勢は初代は自由に「組織をデザインできる」のだ。自分が作るまで組織などなかったのだから。生き延びることさえできれば、初代の正統性は強力であり、誰もが納得する。しかし、その後輩リーダー、後継リーダーはそうはいかない。先輩「蟹」、先代「蟹」が掘った巣穴は、自分に合うわけがない。だから、巣穴は自分で掘り返すしかない。組織も同じで人財獲得、研修、考え方の共有、日常の親交を含め、自分で組織を作り直さないと正統性は得られない。

気づくと思ったよりも長く、自分の「巣穴」に棲んでいる自分「蟹」に気づく。自分蟹は自分で脱皮して、また巣穴を掘り直さないといけないのだと、初めて気づいた。