HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

消費税還元ポイントの事務遅れ その2

今回の消費増税ほどシステムレベルでの混乱が取り沙汰される国家主導の事業のインプリメントは少ないのではないだろうか?たった9ヶ月しか実施時期がないのにインプリメントの初動でこれだけ混乱してしまうと初期の目標達成が厳しくなる。いろいろ見てみて、これは、お役所側がフロントサイドに立とうとし、「決済事業者」と呼ばれるQRコードペイ、クレジットカードなどの民間がサーバーサイドに近い立ち位置にさせられたことがインプリメントの段階の最大の間違いではないだろうか?とはいえ、キャッシュレス推進、中小企業等の補助という制度設計レベルでは決して間違っていない。主張だけしておけば、この制度は延長すべきだ。補助率を落としても中長期的に続けるべきだと言いたい。

以下、混乱の状況を見ていきたい。まずは、店舗側のシステム混乱から。これは民間側のテスト期間の短さからくる混乱であった。

piyolog.hatenadiary.jp

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次に、「還元ポイント」の登録、開始について。以前、「事務遅れ」と書いたがもう「大混乱」モードに移行しつつあるように思える。

hpo.hatenablog.com

経済産業省の還元ポイント受付システムの仕様の決定が遅れにおくれ、サイトで「9月6日までに受け付ければ10月1日に間に合います」という言葉は「真っ赤な嘘」になっている。聞いた話だが数万件の申請に対して10月1日に間に合ったのは、半分に満たなかったと聞いた。私の身の回りでも十分に余裕をもって9月6日以前に申請したのに、遅れに遅れて11月以降になると言われている店舗、中小起業を見聞きしている。

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http://mikyo-ya.hatenablog.com/entry/2019/10/02/105343

申し訳ありません - 北品川にある和風居酒屋【三叶家】雑記ブログ

先に書いたように、cashless.go.jp、後述するスマフォアプリなどフロント側にお役所が立ってしまっているのが混乱に輪をかけている。お役所が本来得意な個々の申請の是々非々を受けつる、還元ポイント申請に必要な事業者コード、店舗コードの発行を事業者任せにしたのがそもそもの敗因であったように思える。個々の店舗などからウェブシステムを開発し、経産省で受け付けを半年以上前から実施すべきであった。現在進行形で起こっているのは、ID等の登録を決済事業者のシステムから経産省のシステムに「転送」する際に「不備」と呼ばれる読み込みエラーが続出している。この原因は、経産省側の仕様決定の大幅な遅れによると聞く。ほんのちょっとした記述のゆれを許容できないなど、カード事業者と官庁のシステムとのすりあわせ、事前テストが全く行われないままスタートしてしまったかららしい。事業者コードをどこかの決済事業者への申請で取得してから、他の決済事業者の申請につかるのでは時間が掛かるのは当たり前。逆に、お役所側が個々のコードを決定しさえしてれば、逆にあとは民間の決済事業者がなんとか帳尻を合わせただろう。

更に、各決済業者の間の混乱もある。まず、A事業者、B事業者と言われてなにが違うのかわかるひとがいるだろうか?しかし、この業者の区別により申請が更に複雑になった。

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決済事業者

https://cashless.go.jp/assets/doc/operator_leaf1902.pdf

更に更に、還元ポイントの還元方法があまりに基準がないため、各決済業者によって手続きしないと還元されない決済方法や、還元まで異常に時間が掛かるカードなどがでている模様。

www.traveler-da1.com

コンビニのいさぎよさを見習うべき。

経産省のスマフォアプリの使い勝手の悪さはもう有名。

n4note.hatenablog.com