HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

格差と総需要と税社会保険負担(という消費)

昨日、所得格差が総需要の不足を生むというツイットにコメントさせていただいたら逆コメントをいただいていた。

一応、元の画像を張っておく。式があまりに単純なのでスプレッドシートまで公開する必要はないだろう。また、グラフ、表も説明を要しないほどシンプルだ。

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たぶん、元ツイットの方の議論はこの論文あたりの議論につなっているのだろう。

d.hatena.ne.jp

コメント欄にあるように、ちょっと議論が乱暴だし、税、社会保険を通じての「消費」を考慮していない。国の税制度、社会保険制度の設計によって所得の再分配の形は大きく異なるので、格差が総需要の減少につながるとは言い切れないだろう。そもそも、原著ですら短期間の格差は影響が薄く、未来永劫続く格差で初めて数%の総需要減少につながりうるとある。

実感値はこの方のご発言に近いと思う。

根拠は示しかねるが、この方のおっしゃる通り、年収800万円を過ぎたら、次は4000万円くらいまでは幸福度はもちろん、使えるお金も比例しない。日本の再分配制度はかなり徹底している。なおかつ、相続税による世代を超えた再分配も徹底している。もちろん、税務署当局も年収300万円の人に対するのと3000万、3億の人に対するのとで徴税の徹底の度合いがまったく違う。個人的には、もうすこし年収4000万円クラスの普通の人が日本において増えていかないと、国全体の消費の喚起はもちろん、経済成長も伸びていかないと考える。