素晴らしい映画だった。飛行機の機内の小さな画面、アカデミー音響賞受賞作品なのにヘッドフォン、しかも字幕が中国語で、日本語の吹き替えというひどい環境での鑑賞であったが、伝わるものがあった。
公式サイトを見ると、日本公開は今年の五月十七日。先に見れてとても得をした気分。それにしても、この映画の日本名が「メッセージ」というのはいただけない。テッド・チャンの「あなたの人生の物語」というタイトルにこそプロットが含まれている。原題の "Arrival" には、このプロット、企みがほのかに残っている。
日本公開前なのでネタバレはするまい。
テッド・チャンの原作は楽しく読んだ。「あなたの人生の物語」自体にはコメントしていないが、同タイトルの短編小説集は読んだ。
id:finalventさんは、見に行かれるだろうか?きっと、失望はされまいと思う。
読後は、ネットでよく言われる「お前は俺か」という感慨を持った。私と似たようなへんてこな思索課題に取り憑かれ、似たように展開していくのを感じた。私とテッドの違いは、私には文才というものがないことだが、読みながら、私の脳はぎりぎりぎりと苦痛のような歓喜のようなきしみの響きをあげた。
[書評]あなたの人生の物語(テッド・チャン): 極東ブログ