山田桂一郎さんの「観光立国の正体」を読んでいる。
- 作者: 藻谷浩介/ 山田桂一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/11/16
- メディア: 新書
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タイトルは明らかに共著者の藻谷さんの「デフレの正体」を意識している。
山田さんは、日本の観光カリスマ百選に唯一国外在住で選ばれた方。山田さんの本拠地、スイスのツェルマットの話しが素晴らしい。山田さんは、本書で「地消地産」を主張されている。「地産地消」は、単に地元で取れたものを使おうという発想。「地消地産」とは、地元で消費する需要があるものは、地元で作れと。それによって、地元の人が地元にお金を落とす仕組みをつくれと。地元民こそ地元の会社のリピートユーザーになれとおっしゃっていた。「観光」とは単に訪れるお客様を増やすことではなく、地元全体の経済をいかに向上させる仕組みを作るかだと。ざっとご著作を読んだ限りでは、山田さんが日本語ガイドをされているツェルマットではホテルはもちろん地元資本なのはもちろん、市内に車の乗り入れ制限をしているので地元に電気自動車作成会社をつくってしまったほどだと。地元での必要な消費は地元の生産、地元のサービス供給でまかなうという方針を徹底しているそう。結果、人口数千人のツェルマットの街に年間二百万泊の宿泊があるとのこと。すごいのひところ。
で、日本の各地の観光地の話しになるとかなりあけすけに、「ボスキャラ」、老害の問題を話している。そこにまた藻谷さんが油を注ぎまくっている。地域経済振興が真剣に必要とされるいま、まさに必要な本かもしれない。