HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

語りだせ、ニッポン!

「キューティー・ブロンド2」の"Speak Up, America!"というセリフに感動したのはいつのことだったか。

日本人はいつまで語りださないのだろう。

サステナブル・コミュニティー研究所川村健一さんの講演を聴いた。日本においても、住民の合意形成により地域の発展をはかることは十分に可能なのだという例を教えてくださった。川村先生から「みんなで語りだそう!、みんなでつくらなきゃ街の未来はない!」というメッセージが伝わってきた。

木野部海岸の話は本当に感動した。

青森県の海岸部における、既存護岸の改修工事。緩傾斜護岸を破壊し、コンクリート塊を海岸部に配置し砂浜の形成を促すとともに、自然景観における岩石の状態と近似的な風景を作り出した。プロセスとしては、より自然的な景観とするために、一旦設置したコンクリート塊をあらためて重機によって再配置し、その後は自然の波による安定化が進んでいる。計画の実施においては、地元のNPO法人の熱意により実現の運びとなるとともに、海岸部のメンテナンスも実施されている。結果として出現した風景は、完全の自然景観と見紛うばかりのものとなっている。一般に公共事業分野では、一旦施工したものを機能的な理由ではなく景観的な理由から破壊、再施工するということは考えにくい。本事業においては、NPOの熱意によってこうした「非常識的な行為」ともいえることが、破壊、施工、再施工という経緯を実現化させた。(田中一雄)

404 Not Found Erorr | Good Design Award

公共工事の成果である護岸を破壊して、磯を再生させるという事業が住民主導で進められたという事実が私に元気をくれる。これまであまりに公共事業は硬直であった。いや、公共事業とはうゆずうのきかなさの代名詞でいまもありつづけている。いま国会で議論されている揮発油税の問題にしろ、道路を作ればどの市町村でも幸せになるという理屈はあまりに日本のいまの真実から遠い。

このプロジェクトには土木の賞も受賞されている。そうそう、そもそも土木って"civil engineering"(公の技術)という名前がローマ以来ついているのは伊達でないはずだ。

「これか、こんな海浜構造物が成立するんだ」と衝撃が走った。大きな岩を海浜に並べ、抵抗を大きくし、消波や沿岸流の流速を抑え海岸浸食を防止する。あわせて磯としての機能を持たせサザエやアワビ、魚類などの生息場にしようという試みである。

最優秀賞:木野部海岸 心と体を癒す海辺の空間整備事業

日本において住民が紋切り型の公共事業を拒否し、破壊し、再生させたという事実に感動する。やればできるのだ。

住民の合意形成とは立派な自治だろう。そもそも「自治」を意味する"municipal"とは「寄付行為」という言葉が語源だった(はず)。

A municipality is an administrative entity composed of a clearly defined territory and its population and commonly denotes a city, town, or village, or a small grouping of them. A municipality is typically governed by a mayor and a city council or municipal council.

Municipality - Wikipedia, the free encyclopedia

Chattanoogaの話も印象的だった。

市民と企業が参加したインディアナポリスの視察から帰ってから町づくりの組織が生まれた。6ヶ月間話し合い,町づくりの意志決定には多くの市民の参加が必要と決まる。
'85年,"チャタヌガベンチャー"誕生。電話帳から無作為に1万人をチョイスし,市民からアイデアをアンケートで募集。
1700人が参加し,2500のアイデアが出た。性別,年齢,人種,職業に関係なく,様々な人々が参加。アイデアが40に絞られ,2000年までに実行すべき目標が"ビジョン2000"となった。その一つである住宅問題に関するアイデアが全米から注目されている。

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やはりそれが日本であっても、米国であっても住民の合意、やる気が地域を変えるの。「公共工事」という枠組みこそが住民の意思を反映する仕組みでなければならないと私は信じる。

■追記

おっしゃるとおり!

道路は私を救ってくれた。しかし道路は私を救うために敷かれたのではない。

404 Blog Not Found:バイキング式のレストランで給仕を待つ君たちへ