話題の本自体を読んでいないので、なんとも言えないがグラフを見る限り、データの残っている限りr -gは縮小していると言うべきなのではないだろうか?
トマ・ピケティ『21世紀の資本論』を30分で理解する!―週刊東洋経済eビジネス新書No.76
このグラフを実データのところで切り取ってみる。
当然、翻訳者の山形浩生さんのデータくらいは見た。
このデータを見る限り、二千年間にわたってr-gは縮小しているように見える。古代ローマ帝国ですら成し遂げられなかった全世界的な民主主義のプロセスが働いて、全市民の経済の成長と富裕層の資本の利回りは近づいてきていると言える。
ローマの内乱の時代からカエサル、アウグストゥスに至る歴史は民衆と富裕層の対立がいかに文明的な国の中でも国をゆるがす大きな問題になることを示している。そして、皇帝とは護民官であり、元老院でなく民衆にその権力の源である政治的な形態がローマの繁栄をもたらしたことを現代においても常に想起すべき。
もっとも、デイヴィッド・ブリンの描いた見事な未来予想図では、まもなく富裕層が全世界的な課税を嫌ってスイスに立てこもり熱核戦争を引き起こすことになっている。ウェブの全世界化、スマフォとツイッター、SNSによるゆるい監視社会の実現など、30年前に見事に現在の世界を描いている。ピケティの著書が引き金になって、富裕層戦争が起こらないとも言えない。
- 作者: デイヴィッドブリン,David Brin,酒井昭伸
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