HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

コンストラクタル法則

M.I.さんにお薦めいただいた「流れとかたち」を読み始めた。べき乗則と生成化育、麗しい澤体験がつながる。

流れとかたち――万物のデザインを決める新たな物理法則

流れとかたち――万物のデザインを決める新たな物理法則

コンストラクタル法則の帯にある定義。

有限大の流動系が時の流れの中で存続するためには、その系の配置は、中を通過する流れを良くするように進化しなくてはならない。


コンストラクタル法則は声高にこう叫ぶ。流れるもの動くものはすべて、存在し続けるために(生きるために)進化するデザインを生み出す。これは願望でも目標でもなく自然の傾向、つまりは物理的現象なのだ。

これまでべき乗則を考えて来た私からすると、コンストラクタル法則とはこうなる。

コンストラクタル法則とべき分布、太極

樹木、河川、動物体内の循環系、ウェブなどのネットワーク、社会的な構造を流れた後で見れば、一番左の樹木のような形となる。これを分布としてみればべき分布となるし、常に流れて循環もしくは入れ替わっていく「流れ」としてみれば太極となる。人間の社会の構造、道徳感情も似た構造になっていると私は信じる。言葉でこれを言えば、中庸の「人心これ危うく、道心これ微かなり」となる。人の心の中には、欲望や怠惰のままとなる人心もあれば、協力し合おうとする道心もある。自分の中を内省してみても、人心と道心は常に動いている。定まることはない。この様はまさにべき分布であり、コンストラクタル法則であるように私には思える。

M.I.さん、ほんとうにありがとうございます。