HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「タオユァン」

200キロ弱、4時間近くのドライブの間、台湾出身のトムさんはずっとしゃべりつづけていた。彼の話は、どんな話しからでも仏教の修行へとつながっていく。少しずつ、私も自分の坐禅の話しをした。とても共鳴しあえた。

トムさんは、「サンスクリットの勉強」といっていた。実際には、真言と坐禅の組み合わせの修行を毎日してるらしい。「これをしているとすべてのフラストレーションが消えていく」といっていた。それは、ちょうど私が10年前に不安と、緊張と、ストレスでほんとうに死にそうになっていたのに、坐禅を始めてそれらからずいぶん自由になれた体験と重なる。

イデアや、ヴィジョンが向こうから来るというのもわかる。トムは「周波数が誰かと合うような感じ」といっていた。悟りたいとか、修行を極めたいとか、追求するのではなく、ただただ修行する、坐る。それだけ。その感覚をトムと共有できたように思う。

また、坐禅とビジネスは矛盾しないことも真剣に話し合った。ビジネスは利益の追求だけではない。いまの世の中では、それはひとつの生き方であり、役割の在り方だ。もっと言えば修行にすらなる。自分の仕事の立ち位置を決めてただただ仕事そのものとなれれば、これほどの全機現はない。結果として、そんな自分が地域社会や、顧客の幸せに貢献できれば、これほどの幸せはない。そんなことも話した。

全ての会話は英語であったので、説明が難しかったが道元の禅なのだ、正法眼蔵現成公案なのだと説明した。日本語の現成公案も見せた。台湾人なので、漢字が読める。分かるように思うと言っていた。

「タオユァン」とトムさんは「道元」を読んだ。「よく覚えておく。正法眼蔵も中国語訳がないか探してみる」と。

よい出会いであった。この出会いにはいくつも不思議なところがあるのだが、それはあえて今かかない。そこに深い意味など求めない。彼を紹介してくれた私の台湾人の親友にただただ感謝。