HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「憲法前文に示されたアメリカの意思」

安倍晋三首相の「美しい国へ」を読んで、永年の憲法前文と9条の矛盾が解けた。

・前文で「われらの安全と生存を保持しようと決意した。」とある憲法と(交戦権をも放棄するとした)9条が同時に存在する矛盾。

日本国憲法って穴だらけ?: HPO:個人的な意見 ココログ版

美しい国へ (文春新書)

美しい国へ (文春新書)

とりわけ当時(占領時)のアメリカの日本にたいする姿勢が色濃くあらわれているのが憲法9条の「戦争の放棄」条項だ。アメリカは、自らと連合国側の国益を守るために、代表して、日本が二度と欧米中心の秩序に挑戦することのないよう、強い意志をもって憲法草案の作成にあたらせた。


(中略)


かわりに担保として与えられたのが、憲法前文の、

<<平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した>>

というくだりだ。つまり、日本国民の安全と生存は、諸外国を信用してすべてを委ねよ、というわけである。

id:finalventさんは、明確にここを訳していらっしゃる。

to preserve our security and existence,
 私たちの安全と生存の保持は、


trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world.
 平和を愛する世界の国民の正義と信頼に委託しよう、と。

試訳憲法前文、ただし直訳風: 極東ブログ

だから、前文の「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努め」るのは、国際社会、つまりは連合国に対しての宣言であり、日本国民に対する、あるいは相互の近いではない。

まさに、憲法の段階からして負け犬なのが戦後の日本なのだと。