HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

堀場製作所の堀場最高顧問の講演会に参加してきた

「おもしろおかしい」を社是にされた堀場最高顧問は、ご自身の人生自身をもって自分の大好きなことをやり続けることこそが、「おもしろおかしい」のだと証明されたのだと感じた。


堀場 雅夫(ほりば まさお、1924年(大正13年)12月1日 - )は日本の実業家、株式会社堀場製作所創業者、及び同社最高顧問。
京都市生まれ。旧制甲南高等学校(現:甲南大学)を経て、1946年(昭和21年)京都帝国大学理学部物理学専攻卒。学生ベンチャーの草分け的存在とされる。

堀場雅夫 - Wikipedia

「おもしろおかしい」ことを追求してやまない魂を持つ堀場さんは、軍国主義体制下においても自分の好きな研究を続けられていたらしい。大正13年から大学生時代の昭和20年まで日本は戦争のし通しだった。それでも、原子物理学を専攻されたのだという。「悪いことばかりの時代でもなかった。愛国心があった。多くの若者が命をかけて国のために戦った」とおっしゃっていた。

堀場さんは、「人間の営為のすべては、人間を幸福にするためにある」と断言される。科学はもちろん、政治、経済、そして、最も身近な「働く」こと自体が「人間を幸福にするためにある」のだと。

こう考えると景色が全く違って見える。堀場さんがフランスを訪れた時、聞いたという話しが印象的だった。「ご存じのように、フランスは原発をどんどん作っている。今回の日本の大震災を見て、原発への自身を強めたのだと。なぜなら、マグニチュード7を超える地震が起こっても、炉心は崩れなかった。フクシマでも地震では炉心はびくともしなかったし、女川原発は大丈夫だった。後は冷却水の確保だけ」なのだと。ここまで日本人とものの見方が違うものか?

堀場さんは、「博士号を取るぞ!」と決意されて、実際に医学博士になられた。そして、医学博士を取る課程で人間のすばらしさに築いたのだとおっしゃる。

  • 人間の視覚、触覚なみのセンサーを作るのだって大変。まして、その解析機能まで現代の科学技術で実現しようとしたらものすごい大変なことになる。
  • 熱効率40%の内燃機関を発明して話題になっていたが、人間の熱効率は100%に近い。なぜなら、100m車を走らせたら余分な熱でエンジンはやけどするほど熱くなる。しかし、100mを走った人間でも体温はさほど上昇していない。
  • 大概の機械の燃料は、最高の技術で精製されなければいけないが、人間は魚でも、野菜でも、肉でも、ちょっとくさった食べ物でも何でもいい。
  • 人間をファインケミカル工場だとしたら、同じことを化学工場でしようとしたら、人口5,6万人の都市で使われる電力が必要となる。
  • こうしたことを総合して人間の機能を現代科学で実現しようとしたら、数千億円かかる。会社は、その人を初任給で使えるのだからありがたい。

だから、「おもしろおかしく」生きることは、「毎日、毎日、人をいかに幸せにするかを自分の仕事にする」ことだと。そして、「地場において、地場に最も適した仕事をやりぬくことが最高!」

本当に励みになった。人を幸せにする仕事ができることは、本当に幸せなことだ。