HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

私はなぜヘクター博士が好きか?

飛行機の中では十分に理解できなかったので、映画館で見た。いや、私の英語力が乏しいだけなのだが。

Dr. Hector

http://shiawase-movie.com/

私にとってこのURLの通り「幸せムービー」だった。ウェディングのシーンなど、とても重要なポイントを勘違いしていたので、二回見てとてもよかった。もう一回くらい劇場にいくかもしれない。DVDも買ってしまうかもしれない。

ひとのことはどうでもよいが、案外ウェブ上でのこの映画の評価は低い。

coco映画レビュアー満足度
58%

「しあわせはどこにある」に関する感想・評価 / coco 映画レビュー

この彼我の差はなにか?自分自身の感情を十分に理解できないまま、精神科医になってしまったヘクター博士への共感の差なのだろうと結論づけた。

私は自分が十分に知・情・意が統合されていないなと、いや、バランスがとれていない人間だと高校生のころに感じていた。心理学専攻を大学で選んだのは、自分の中のバランスが取れ、なお人様の役に立てる人間になれるだろうという想いだからだった。しかし、心理学専攻では自分の目指すところには至れない、少なくとも医学部に入らないと精神科医にすらなれないと知って、別の道を歩んできた。

そうそう、もっと言えば、私は結婚し、子供も育てる機会を得たが、離婚した。自分の側にいた女性とも、自分の内にいる女性とも、おりあいをつけることはできなかった。ヘクター博士も、長く一緒に生活しているクララに依存しながらも、本当の意味で受け入れられていなかったのがよく伝わる。

旅のきっかけも、ひとつひとつは些細なことの積み重ねのシンクロニシティーかなと想われるほどの連続だったのも、なにか私には伝わるものがあった。チベットの僧侶とのやりとりも、ああ、そうだなと。映画の批評で、「薄い、前半を忘れてしまう」などとあったが、最初から最後まで伏線、道具立てが実に良くできている、みんなつながっている。

ま、そんな個人的な体験からこの映画に深く思い入れを持つにいたったのだなと。人間なんてそんなもん。好きなら全部好きになってしまう。好きに理屈はいらない。