ジェイン・ジェイコブズには本当に教えられる。何年も前に「経済の本質」についてコメントで教えていただいていたのに、いまごろ気づく自分のまぬけさにあきれる。
- 作者: ジェインジェイコブズ,Jane Jacobs,香西泰,植木直子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
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<経緯> akillerさんにただただ感謝!
- [書評]自己組織化の経済学 その1 ~ 断続平衡 ~ S Curve: HPO:個人的な意見 ココログ版 のコメント欄で「ジェイン・ジェイコブズ」について教えていただく。しかし、この時点で「アメリカ大都市の死と生」の著者なのだと気づかないまま終わる。
- すでに、akillerさんは、この時点で「■都市の経済学/ジェイコブス(その1): 汝、沈黙するなかれ、北の大地より。」や、「■都市の経済学/ジェイコブス(その2): 汝、沈黙するなかれ、北の大地より。」、「■市場の倫理・統治の倫理/ジェイコブス: 汝、沈黙するなかれ、北の大地より。」といったエントリーをすでにアップされていた。
- その後、「アメリカ大都市の生と死」にはまった。なおかつ、衝撃的な出会いがあり、現在の都市を考える上で避けて通れない方だとよくわかった。
- そして、ついこの間、akillerさんのエントリーを再発見し、「経済の本質」を読み始めたところ。
しびれる言説ばかりでまだ頭がまとまっていない。
冒頭の「エコノミー economy」と「エコロジー ecology」はギリシア語の語源までさかのぼると同じ意味の言葉だという話しだけでもこの本を読む価値がある。エコロジーという言葉を作ったイギリス人たちは、「economies of nature」、つまり「自然の経済」を研究する学問としてエコロジーを創出しだのだという。そして、ジェイン・ジェイコブズの立場は、逆に「nature of economies」、「経済の本質」を見つめ、現代のエコロジーの知見から経済生活を見つめ直すかというテーマにつらなっていく。
いかに本来経済というものがエコロジー、エコシスであり、ネットワーク、フラクタルかは、本書にあますことなく書かれている。読み終わってから論じたいが、本書は経済学や、生物学が長らく答えを出すことができなかった生態系=ネットワークにおける多様性の価値について明らかにしていると感じる。これは安冨歩先生が「多様性こそが経済的な豊かさの指標だ」論じたことへもつながる。
- 作者: 安冨歩
- 出版社/メーカー: 創文社
- 発売日: 2000/11
- メディア: 単行本
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