HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

最高の戦略の本質とは戦いそのものを省略すること

昔は、男たるもの「公」(おおやけ)の仕事をすることが人生の意義であった。お役人の最高峰になることが、オリエンタルな世界の中では最高の生き方であったのだ。士大夫という働き方だね。で、その士大夫の組織の単位がいまでも「財務省」とか、「国土交通省」なんっていうけど、「省」。「省」とは、「省く」、「省みる」と読みくだす。ここに中国五千年の知恵が生きている。組織を作ると、できたその時点から、無駄を「省く」こと、構成員一人ひとりが「省みる」ことが本質なのだ。お役所の名前を言うたびに「省く」ことを意識せざるを得なくさせた知恵なわけだ。ま、日本ではいつのまにか忘れ去られてしまって、「省」とは巨大であること、無駄が多いことの別名になってしまっているがね。ほんとうは、尊い伝統なのだ。

そして、士大夫意外の生き方は武人、もののふの生き方しかなかった。軍人として立身出世を遂げ、将軍と仰ぎ見られ、一軍を將(ひき)い、戦場で勝利の栄誉を達成する。戦う将軍が最も大切にするのがいうまでもなく「戦略」。「戦略」とは「戦いを略す」、つまりは、戦わない道。勝利という目的の達成を、最もシンプルで「省」「略」しつくした方法で達成すること。「省略」なんて、すごい単語だよね。組織を、戦い方を、人の行動指針を、「省みて、略す」。やっぱり、中国一万年の知恵だは。

いや、出来ていないからあえて書くんだけどね。

ほんとうは、士大夫の諫言とタレブの第四象限について書きたいと思っているけど、あんまり書きすぎるとネタが無くなるのでは、今日はこの辺で。


■すごい共感

ああ、こういうブータンの方の生き方って「省」「略」の最高の生き方かもしれない。