長時間労働は結果にすぎない。必ず原因がある。組織の危機が長時間労働をもたらす面がある。電通のあの事件の場合は、特殊な要因があったという人もいる。確認はできてないのだが、電通自体のIT公告抜き取り事件が突発的な超長時間残業の原因であったと。あるいは、最近の関西電力の場合は、原発の再稼働問題であったと。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170116/k10010840961000.htmlwww3.nhk.or.jp
いずれも、痛ましい問題である。
場合によっては、仕事のやり方が悪かったり、能力の問題であったり、適性の問題であったりもする。企業に起こった「事件」は必ずその結果を生み、そしてまた次の問題、事件を生む。「事件」によって猛烈な企業規模の縮小につながることすらある。効率的に運営されている企業ほど、大きな「事件」に弱い。組織のすべてがつながっていて、遊びがないから。いわば、企業構造に隠れたブラックスワンとも言える。また、この負のサイクルは企業の人を育てる力をも弱める。仕事、企業のデフレスパイラルだと言っていい。ここで踏みとどまれるかどうかが、その会社の社風、風土、人の意識レベルにかかっている。
「知恵を出せ。
まず汗を出せ、汗のなかから知恵を出せ | 松下幸之助の珠玉の言葉 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
それが出来ない者は汗をかけ。
それが出来ぬ者は去れ」
この土光敏夫さんの言葉は、大変に真理を突いている。人と同じことをやっていては、会社は立ち行かない。会社を伸ばし、自分も組織の中で地位を得ようとおもったら、自分に能力をつけるか、智恵をだすかしかない。組織の中でできるだけ大きな裁量権をもらえる人物となれるか否かにかかっている。
しかし、裁量権が増すと、例えば社員に長時間労働をさせないか、また管理のための長時間労働をする必要が出てくる。立場があがれば、あがるほど仕事のことは頭から離れない。私もほぼなにをしていても、どこかで仕事のことを考えている。本を読んでいても、人と話していても、仕事のことを考えている。極端なことを言えば、セックスしている最中に仕事上の課題の解決の糸口を思いつくことすらある。
まあ、幸いなことに、人間の脳というのはよくできていて、自分に裁量権があると想えば、24時間365日仕事であっても苦痛ではない。むしろ楽しい。まあ、なにをもって自分に裁量権があると想うのか、人の人格の問題であるかもしれない。