最近、過去を思い出す。特定の過去のシーンが繰り返し、繰り返し演じられている。音楽を聴きながら、車の運転をしながら、眠れぬ夜をすごしながら、同じシーンを何度も何度も半数してしまう。
ブログという日記を書き続けていると、いかに自分が同じことしか考えられないかよくわかる。ちょっと自分の日記を検索すれば、明々白々なことだ。
たとえば、ぐぐってみれば「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を思い出して涙していたのは、2年前だとわかる。
それどころか、2000年に映画館に観に行ったとき、まさかこんなに何度も思い出す映画になるとは露とも思わなかった。
人は死ぬ、早いか遅いかだけだ。ビョーク自身が演じたセルマと同じく、みんな108つのステップのどこかに必ずいる。
一歩一歩あるくたびに、悲しんだり、喜んだり。出会ったり、別れたり。苦しんだり、悩んだり。誰かが一緒にステップを踏んでくれていたのに、いつのまにかいなくなったりもする。
いつかこころに忍び寄る絶望の影に追いつかれるときに、人は歩みをやめ、過去を振り返る。なぜこんなことになってしまったのだろうかと。
人の世は苦界だ。この苦しさの中でも歩みを止めないことだけだ、私にできるのは。