「生命、宇宙、そして万物についての究極の答え」は４２ではない

「生き物たちは3/4が好き」によれば、究極の答えは４２ではなく、３／４乗だそうだ。

作者: John Whitfield,野中香方子
出版社/メーカー: 化学同人
発売日: 2009/01/29
メディア: 単行本
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なぜ３／４乗なのか？理由を一言で言ってしまえば、生物の本質はネットワークなので、生物のさまざまな性質は、べき乗則に従うということだ。この意味で、（なんどブログでこう書いたかわからないが）この本は私のために書かれた本だ。べき分布、通貨の役割、進化の本質、S字カーブ、生成と絶滅、多様性の意味など、究極の答えが確かにここにある。

自分のために、すこしだけ抜粋しておく。

「生態学とは本来、自然界の経済を研究する学問であり、エネルギーはいってみればその通貨である。」

（らせん状の殻が、軟体動物やぜん虫、有孔虫など、さまざまな種の生物に広く見られることに心打たれたダーシー・ウェントワース・トムソンは）「気候や地域の環境とは関係なく、どの海底にもどの海岸にも、さまざまならせん形が混在して見つかる。このように実に多様な形が同時に存在するというのに、そこには必ず自然淘汰がはたらいているとか、自然淘汰の果たす役割があるなどとは（私には）とうてい思えない。」

（生物の代謝が体重の３／４乗のべき乗則で説明できることについて）「代謝は細胞の性質であってネットワークの性質ではないし、ネットワークが細胞の要求に合わせてなにかを運んでいるのであって、細胞がネットワークの運んでくるものにあわせているのではないように思える。しかし実際は、両者はお互いに歩調をそろえているのだ。」

（代謝を決めるのは血管のネットワークであることから最適化手法を用いてモデル化しようとすると）「ネットワークの設計は、まず太い一本の管からスタートし、それを三次元のフラクタル構造に変化させ、毛細血管サイズの管を体のすみずみまで栄養を送れるほど作れば終わりとなる。そうなるには、管は分岐しなければならない。」

まだまだ語りない。

■参照

「４２」を万一ご存じない方のために。