HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

ダイハード4.0はべき乗則的危機を描いた映画

やっぱアメリカってすげえなと想うのは、ちゃんとシステマティックな危機を迎える前に「まぐれ!」が評判になったりハリウッド映画で警鐘をならすところだな。

ダイハード4.0はすばらしくイラストレーテッドにネットワーク社会が高度に発達すればするほどさまざまな分野でのハブの肥大を産み、べき乗則的危機を増大させるかを聴衆に理解させる。電力のハブ、ネットワークのハブ、政府機関のハブ、金融情報のハブ、高度な技術は面積を必要としない。一点で米国ほどの巨大国家のハブとなることができる。テロのターゲットをハブにしぼれば、たかだか数十人で全米を麻痺させてしまうことができる。

そんで想うのは、思考と思想っつうか、生き抜くための発想と生き抜こうとする人の思想習慣ってどれくらい相関があるのかだ。ま、べき乗則自体がいまは米国が主導権を握る複雑ネットワークやマンデルブロのようなフラクタル数学から来ているのだから、米国でこうした映画が撮られることは理にかなっている。また、米国流の思想と思考がきちんと相関しているといえばそうなのかもしれない。しかし、本来べき乗則的リスクとはさまざまな文化的背景と思考が交差する歴史を持つ日本人が気付き、主張すべきであったような気がしてならない。べき乗則とか述語的物理学とか、本来的には仏教思想に近いのではないだろうか?しかし、日本からこうしたリスクに対する警鐘も聞こえてこない。あるいはなんらか進歩させる提唱もない。生き抜くための発想と民族無意識的思想は相関しないのではないかというのが私の中間的な答え。

新しい自然学―非線形科学の可能性 (双書 科学/技術のゆくえ)

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