HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

だからこそ日本語が大事

日本というコミュへの参加資格はやはり日本語が使えることだ。そして、日本語は確かにとっつきがわるい。孤立しがちな言語である。だからこそ群れとしての日本コミュは結束が固かった。

それでも、一ついいことがある。共同体の入会費用がべらぼうに下がったことで、かつてはありえなかった、複数共同体の同時加入が可能となったことだ。かつて構成員の属性というのは「誰の子」と「どこの子」ぐらいしかなかった。

404 Blog Not Found:縁と円

言語は、「共同体」の「入会費用」を上げるために分化を続けている。

自分を犠牲にしてまで守った自分の群れのメスが、ほかの群れから紛れ込んだオスに取られてしまったり、子を皆殺しにされてしまうのでは、群れを守るために死を辞さないオスは報われない。群れでしか生きて行けず、群れのために死ぬことも群れの維持のために必要とされる...それでも、メスには浮気される...いやぁ、オスは昔から本当に報われないなぁ...という話は後にして、ではどうしたらよいか?

(中略)

そこでできたのが、「言葉」だという。

言語の分化はフリーライダー対策だった - HPO:機密日誌

ま、だからこそ太古の言語は恋歌ばかりだというもの納得できる。歌で女性をくどくという行為は、同じ言葉を話す群れの仲間であることを気高く証明する。女性側が歌で口説けるという事実は、逆に歌が歌えないフリーライダーを群れから排除することにもなる。

話は違うが、昨日、リービ英雄さんという方が万葉集を英訳したという話を聞いた。

現代日本人が万葉集を理解できず、しかも明瞭に英訳されてしまう現代は、ほんとうに日本語の危機であり、日本という群れの崩壊の足音のように思える。