ハイエクについてぼちぼち勉強したことをメモしておきたい。まずは、インフレーションについて。
「インフレとは貨幣的現象だ」とフリードマンは言った(参照)。ところが、ハイエクは「貨幣は経済に対して中立的ではない」と言っている。つまりは、インフレーションを起こそうとすれば、かならず「間違った信号」が発せられ、自然に発生し伝えられていく需要がゆがんでしまう。歪んだ需要、歪んだ信号に基づく投資は必ず不況を生み出す。
ハイエク自身は、壺に注ぎ込まれる蜂蜜という例をあげているが、このほうがもっと適切かもしれない。蜂蜜は粘着性があるから、注ぎ込まれると中心部分で小山を作り、それから徐々に周辺に崩れてゆく。山は蜜を注ぎ込んでいる間はその高さを保つけれども、注入を止めるか、そのテンポをスローダウンし始めると、中央の小山はたちまち沈下し始める。まさにハイエクの「動態的均衡」概念を文字通り例証するかのようである。
- 作者: エイモンバトラー,鹿島信吾,清水元
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1991/04
- メディア: 単行本
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これは昨年まさに自分で実感したことだ。インフレーションというものは一気にすべての業種において平等に来るものだとばかり思い込んでいた。
これは価格を先に決めて、製造に入るいわば請負型のビジネスの場合の売上と仕入のタイミング差を示している。同時に、ということは垂直に、売上と仕入が行われるのではないために、インフレの影響がより増大するイメージがわかるのではないだろうか?
S字カーブとインフレ - HPO:機密日誌
■追記
まさに!
現在の刺激策の多くの特徴の帰結として明らかに再配分は悪影響を受ける.市場のシグナルは,労働と資本はデトロイトのビッグスリーからよそへ再配分されるべきであり,また高度のスキルを持つ労働者は金融産業からもっとイノベーションの盛んな部門に再配分されるべきだと示唆している.再配分が停止されるということはイノベーションが停止されるということでもある.
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