昔の街並みを見ていくと火事が大きな役割を果たしているのがよく分かる。山火事と同じで、災害にあった当人にはとてつもない不幸には違いないのだが、長い目で見れば街の新陳代謝には必要だ。古いものは解体され、建て直される。あるいは、将来のための余地とされる。
いつぞや蜂蜜が長い時間をかけてゆっくりポテンシャルの低い形にながれていくというハイエクの話しを読んだ。街も同じかもしれない。数々の災害を経ながらあるべき姿に収斂していく。あるべき姿を決めるのは蜂蜜の流し方でもない。蜂蜜を型にはめることもできない。蜂蜜自体の粘性という性質だけが形を決める。街も人と人のつながり方だけが長い目での街の形を決める。
- 作者: 池田信夫
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/08/19
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