HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

べき乗則的個人史

昨日、ご年始で来てくださったお客と話をしていて突然10年前の1月4日を思い出した。それまですっかり忘れていたのだが、その日、かなり衝撃をうける事件があった。が、「ピンチはチャンスですね」と昨日笑いながら話せるほど、その事件を昇華することができた。

以前、手塚治虫の作品をレビューしていて42歳前後の作品が最も暗いことに気づいた。この2月で私も厄が明ける。吉だの凶だの私はほとんど気にしないが、手塚治虫のような天才ではなくとも、40前半になにか人生の危機的なものが訪れるものなのだなと実感している。

タレブブラックスワンレバノン内戦を生きぬた個人史から始めていた。安定した人生などない。人が見ればうらやましい人生でも、自分自身から見れば期待は裏切られっぱなしなものだ。そうそう、NHKの番組で田原総一郎さんが学生から「田原さんは思い通りの人生を生きていらっしゃいますよね。」と言われ、「僕の人生は全然思いどおりなんかじゃない。就職試験も全部落ちた。会社を何度も変わったが全部平社員で辞めている。」と平然と答えていたのに関心した。

人生なんてハプニングの連続だ。思い通りに行くなら、人生なんておもしろくもない。べき乗則的危機の連続の中でも志を持って恐れずに進むことだ。それくらいしか生き方はない。