HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「高速道路のストロー効果」

これこそまさにべき乗則の顕現ではないだろうか?

中山 政府機能が東京にあり、外資系企業の本社機能の九割が東京にある。国際的な展開をしたい企業は中枢機能を東京に移さざるを得ない。インターネットが普及し、企画部門、管理部門などは東京においても、製造部門との交流に支障がなくなった。高速道路のストロー効果と同様です。東京の人口は全国の一割ですが、企業数の約二割が都内、資本金百億円以上の企業となると全国の五五%。そして法人税九兆円のうち四兆円が都内で納められています。高度成長期には、地方から労働力が供給されましたが、企業の海外進出が活発になって以降、日本の農村は経済的な価値を失いました。

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ちゃんとwikipediaにもある。

大都市に通じる高速道路や新幹線など高速交通網を整備しさえすれば、あるいは交通の隘路を解消しさえすれば、企業の支店や拠点、大学キャンパスなどが進出してくる、観光客も訪れやすくなるので多くなる、と考えた地方都市が積極的に誘致してようやく開通したが、実際に運用が始まるとこのストロー効果で地元商店が大きな地盤沈下を起こし、目論見とは全く逆に企業の支店や配送などの拠点は県庁所在地などの上位支店に統廃合されて地元雇用の喪失を招き、学生はより大都市の学校に流出し、期待された程の観光客増などもなく、結局は過疎化に拍車を掛け、経済効果も幻想であったと思い知ることが少なくない。

ストロー効果 - Wikipedia

この前段にある「ライリーの小売引力の法則」っぽいのを実習でやったことがある。とにかく都市の内外のショッピングセンターの面積を測ってこいというのがその実習だった。不動産マーケティングの教授曰く、「2つのショッピングセンターがあれば、集客力は面積の自乗に比例する。顧客があるまる半径が自乗に比例するからだ。」ということだった。

極論だが、面積が100㎡か、300㎡なのかで集客力は9倍違う結果となる。これは商店街と巨大ショッピングセンターなどでも同じ力学が働く。

ま、一つの圏内にショッピングセンターがふたつだけしかないということはありえないので、実際には多体問題のようにスーパーコンピューターでも酷使しないと答えはでないはずだ。それでも、米国のようななにもないだだっぴろい空間の国では案外当てはまるケースがあるのだという。これは、レベルを変えてふたつの都市のそれぞれの商業床の合計面積でやっても同じだと教えられた。

これは、普通のマーケティングでは、「ランチェスターの法則」と言われるものに近い。

ちなみに、ランチェスターの法則とは、20世紀の初めに戦闘機と潜水艦の戦闘結果をイギリス人の技術者、ランチェスターが分析した結果得られた戦力と戦闘結果との関係をしめる2つの法則だ。

べき乗則とランチェスターの法則 Lanchester's law and Power-law: HPO:個人的な意見 ココログ版

生き残れるのは一握りのエースパイロットなり、潜水館長であるように、現実のビジネスの世界も「winner takes all」が鉄則なのだ。そして、その結果としてべき分布が生じる。

やっぱり私が住むのはロングテールの世界ではない。

ひとつひとつの物事がどの圏内にあるか、どことつながっているのか、いないのかが大切な問題なのだ。

不便さこそが21世紀を生き残る最大のメリットだと信じる。

■参照

おお、タイムリー!違うことのようだけど、同じ事の違う面ではないだろうか?

ということは、政府の立場にたって考えると、格差を煽った方が格差を鎮めるよりもずっといいことになる。

404 Blog Not Found:格差社会で得するのは、政府だったりして