HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「日本国憲法/利子」

昨日のエントリーに対して、うれしいメールをいただいた。許可をもらったので、転載しちゃう。

ま、あの本来私信なわけだから取扱い注意な。私の脳内友達かもしれないしね、一切の責めは私が負います。そして、名誉はこの文章の作成者に!

9条について、僕も同じ解釈で、これは、政府見解や憲法学者の見解とは異なっていると理解しています。政府見解や憲法学者の見解は、文字通りに解釈せず、その時々の心情が入っているのが不可解でしたが、「官僚」というものの正体がわかって、理解できたような気がします。

9条解釈も、失政のひとつだと思います。

侵略行為を行うための占領と戦略爆撃を行うための装備を持っていないことを強調すべきだと思います。戦術的な装備がいくら充実して高度であっても、それは、戦争や国際紛争のための道具にはなり得ないということを強調するべきだったと思います。先制攻撃なんて夢のまた夢。まして、占領なんて……。

しかし、相手の先制攻撃を躊躇させるだけの武装にはなっていると思います。日本に先制攻撃をしかけると、第一陣は、少なくとも手痛い被害を覚悟しなくてはならず、そんなことをしていると、第三国につけ入れられてしまいますから。

小沢さんのいう国連主体の軍事行動については、日本は占領はもちろん戦略的な展開をできる軍備がないという理由で、空想にすぎないと思います。平和維持や武装解除はできると思いますが、条件が限定されると思います。

事実上、世界有数の軍事力を持つからといって、自衛隊を、他国の軍隊と同列にするのは反対です。先制攻撃や戦略爆撃、それに続く占領などが実施できないというユニークな軍事力のままでいいと思います。その代わり、日本の自衛隊が平和維持や武装解除の任務を担当したら、鉄壁という存在になって欲しいと思います。

今おこなわれている議論に、疑問を感じています。

ところで、利子。イスラム圏は、利子がないんですよね。たしか……。

日本では、仏教寺院は、奈良時代から金融機関で、江戸時代までその働きをしていました。明治にその役割を終えます。利子で食っていたということになると思います。一種の租税のような役割だったみたいですが……。

信用という部分については、信用を発見したイギリス人(だったっけ?)はすごいと思いますが、「利子」ということと1対1対応なのでしょうか?

このあと少々やりとりをさせていただいた中で「核は戦略爆撃の一種だから、禁止に決まっていると思います」とおっしゃっていた。これは非核三原則自衛権は矛盾しないというごく当たり前のことなのだよね。

宗教的な背景というよりは現状の記述にすぎないけど、イスラム銀行というのがこの「無利子」という宗教的要請と現実的欲求との間をとりもっているらしい。

イスラームでは、利子(リバーと呼ばれる)を取って金銭を貸すことを禁止するクルアーンコーラン)の言葉に従って、シャリーアにおいて利子の取得が禁止されている。したがって、理屈の上ではイスラーム共同体の間で利子を取る銀行は存在不可能であるため、イスラーム圏においては、いわゆるイスラーム銀行が各地に存在し、この記事において述べられるような営業を行っている。

ただし注意せねばならないのは、このような業務を行う銀行が誕生したのは近代以降であるという点である。それ以前には、シャリーアにおける利子禁止規定は、ヒヤル(奸計)と呼ばれる抜け穴によって巧みに回避し、実質的には有利子金融が行われていた。そのため、「イスラーム社会には無利子金融しか存在しない」と簡単に言ってしまうことはできない。現在でもトルコ・アルバニアなどでは有利子金融が存続している(リバー、利子、ヒヤルなどについては該当記事参照)。

イスラム銀行 - Wikipedia

この意味で日本の仏教と金融の発生について詳細に述べている網野善彦の著作はとてもとてもとても興味深い。

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

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