HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

法律は虚、人の想いは実

ここがかしこくてぬけめないと思っている企業家のおとしあな。なぜか逆だと思いこんでしまう。

たぶん、多くのか企業家は社会の決まりとは法律だけだと思い込みがちだし、その法律とはいうといらないところばかり書いてあって、必要だったり肝心だったりする所は書いていないというしろものだ、と思っているのだろう。実務家と法律のメンテナンスとの距離、そして法律に反映されがちな特定の少数派の利害のバランス、といった部分が社会全体として変わっていかないかぎりこの思い込みはなくならないだろう。あるいは、冗長なばかりの法律の姑息なばかりの遵守を求める動きに対して反発を覚え、表面つらの法律だけを守ればよいのだという風潮に同化しやすいのかもしれない。法の網というのは、よくもわるくもその程度のものだ。だから、法は「虚」である。

しかし、人は現実に生きていて、つながっている。この人と人とのつながりの網目は粗いように見えて、実は自分自身がその中に含まれているという事実が示すように、そこから逃れようがない。人は一人で生きられないかぎり、人にとって人の網目は常に「実」なのだ。

この虚と実のあやうい境界のどちらがわにいるのか?どれをどれだけバランスするのか、鬼にも魔にも天使にも獣にもなれない私の大事な問題かもしれない。