HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

どっひゃぁ!

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)

これって完全にカウフマンじゃん!

・「進化には大量の突然変異と絶滅が必要」
・「カウフマンネットワーク」という言葉がそもそもでてくる。

わたしはタイル並べのルールにはじまって、あらゆるレベルにカウフマン・ネットワークを確認した。全システムが、静的状態とカオス的ふるまいのあいだの超適応状態の縁で安定している。
・予想できない事態が必ずおこるというべき乗的なイベントの発生。
・「自触媒効果」(=自己触媒反応)が重要なアイデアになっている。
・意識の起源について
イカは自分自身が考えていることについても、やはり考えているのだ。私はそれを、意識と呼びたいのだが、どうだろう?
・ちとカウフマンからはずれるけど、登場人物が自分の思考を三次元ネットワークとして検討するシーンがあったりする。
非線型的だなというか、集中するべきものには思いっきりリンクなどが集中するということは、量子力学の解釈や、宇宙構造に関する部分でも応用されているアイデアであるように感じる。

やっぱり、小説のはじまりのシーンが適応度地形だと思ったのは間違いではなかった。あとは、線形、非線形の話がどれくらいでてくるかだな。


[追記]

いえ、最後の最後まで読んでかならしもネットワーク、非線形がメインのテーマでないことがよくわかりました。ま、もっとも量子力学とか、宇宙構造なんてのを非線形と考えれば、とおからずなんだけどね。参考文献にカウフマンの「カ」の時もなかったところをみると、もうこの辺て米国の科学関係の人にしてみればきっと常識もいいところなんだろうな。

それにしても、このエンディングをいったいどう解釈したものだか。なかなかなやましい。この根本的解決のなさと言うのが、イーガンの特徴なのだろうか?


[追記 その2]

どっひゃあ!ついでに、もひとつどっひゃぁ!こんなに本書を読んで、その感想を書いている方々がいるなんて!うーむ、こりゃちゃんとした記事にせずばなるまい。

それにしても、これだけの数がならんでいるとディアスポラのレビューのレビューとかやってみたくなってしまう。ああ、でもさすがに数が多すぎて挫折かな?