フューチャー・オブ・ワーク (Harvard business school press)
- 作者: トマス・W.マローン,高橋則明
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2004/09/28
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 48回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
会社内部の制御の問題では分散化を信奉し、他方企業の社会的責任については厳しい制御をすすめている。少し危険。
どうもやはり左右の対立的なものは非線形の科学の領域においてもあるように思える。カウフマンの著作の最後の方に出てくるメーナード=スミスが(サンタフェで)「おそらく皆さんは社会進化のポスト・マルクス的解析を始めようとしているのでしょう。」といったという。これはかなり危険な、非線形やべき乗則の解釈につながりかねない見解だと想う。どうも、やはりスミスにイデオロギーの陰を見る。
http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2005/02/holism_vs_reduc.html
本書の著者のマローンをスミスと比べてしまうのは行き過ぎではあるが、企業内における権力の分散がうまくいくことを主張するときにどうしても予定調和的な響きを感じる。にもかかわらず企業全体として社会的な責任について語るときには、私の読みすぎかもしれないが企業を超えた力の規制、コントロールを強調しているように聴こえてならない。うーむ、フリードマン好きな私の判官びいきなだけかもしれないと書いていて想えては来た。
明日から出張で当分日記の書けない環境入る。