これは、すごい。
複雑さを生きる―やわらかな制御 (フォーラム共通知をひらく)
- 作者: 安冨歩
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/02/22
- メディア: 単行本
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古代ローマの滅亡も、塩野さんがなぜローマ人の物語の最後を一枚の表で終わらせたのかも、行き過ぎた法治主義+官僚主義がモラルハラスメントであることも、なぜお護摩で太鼓をたたかくのかも、私がボールを投げるのも下手なのかも、社会なんて結局演ずるしかないんだということも、誠実な人間関係なんてダブルバインドを乗り越えることでしかありえないのだということも、みんなこれだと説明できちゃいそう。
それも、複雑系とか非線形とかをヒントにしたごくまっとうな思考の結果として。
しかし、これを読むのでなく、自分で発想したかったな。
答えを教えられてしまうと実は逆にやりにくかったりする。
それでも、思想そのものでは人はすくわれないのだというその真実そのものを教えてくれる書であるには違いない。
いんやぁ、安冨さんってすごい。
ちなみに、以前書いた安冨さんの本の感想文。満州の経済がご専門で、ご著書が貨幣の意味と役割と崩壊の必然性だったり、複雑系から引き出し人の生き方だったり、本当に多彩な方だ。ぜひ一度お会いしたい。
http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2005/07/ecology_of_blog_0119.html