HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

生きて行く私

宇野千代さんの「生きて行く私」という本を読んだ。例の引越しをお手伝いしにいっていただいたきた「脱走と追跡のサンバ」といっしょにいただいてきた本だった。

到来するものは多い。ないか私に近しい知人の印象とかさなる面もある。毎日新聞の日曜版に連載されていたということか、ノリがブログに近いようなきもする。宇野千代さんの男へ目というものも恋愛とともに論じてみたい。13軒も家をたてたということをねたに私の本業とも関連のことを書いてみたい気もする。

しかし、読了した今私に去来するのは幸福というものの形についてだ。もしかすると宇野千代さんは、私の知人がそうであるように自分の生き方というものを変えずに回りに変えることを強いるタイプの人間であって、まわりはかないり言い迷惑を蒙っているのかもしれない。彼女の捨てた良人のことなどは、有名な話であるがあらためて、あらいものもしないで東京へ出ていかれいいつらの皮であったと実感する。それにしても、100近くまで生きたという彼女の人生はきっと幸せなものであったろう。

アランに会って、アランの絶筆をもらってきたとこの本書に書いてあった。本書の中には、まるでアランの哲学については書いてなかったが宇野千代という人はきっとアランの哲学に強い影響を受けた人なのだと思う。あるいは、生まれたときからアランに共鳴するものを自分の内にもっていた人なのだろう。

もっともっといろいろと書きたいこともあるが、いまはここにとどめておく。そのうちアランの幸福論について書くというのが、ひとつの私の願いでもある。