id:finalventさんのつぶやきに懐かしい書名を発見した。
『ノンちゃんの冒険』で哲学君は、未来に絶望する者に、「謙虚なれ」と言ってた。
— finalvent (@finalvent) October 22, 2019
絶望とは、世界を支配する欲望と同質だ。希望せよ。私たちを超えていく者が希望を見出すことを信じよ。
- 作者: 柴田翔
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1975
- メディア: ?
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確か中学生の頃(もしかすると小学生高学年だったか)、近くの図書館で「ノンちゃん雲にのる」の続きかなにかかと思って手にしたのを記憶している。ところがいきなりセックスの描写から始まる。しかもその恋人の哲学君がヒモまがいな行為が出てきる。大変、びっくりしたことを古いふるい図書館の木製の机と外のぎんなんのにおいとともに昨日のように思い出す。
- 作者: 石井桃子,中川宗弥
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1967/01/20
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 63回
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昨日、たまたま通りかかった古本屋で本書を見つけた。100円だった。なかなか良書がそろった古本屋さんで、5冊ほども買ってしまった。帰りの電車の中で読み始めたが、止まらない。あっという間に読了してしまった。
感慨深いものがある。 / “ノンちゃんの冒険 - finalventの日記” https://t.co/R9RcCjULVw
— ひでき (@hidekih) October 26, 2019
ツイットにも書いたが、最初に本書に触れてから40年の間に本書に出てくることは一通り体験してしまったことに実に奇異な想いを持つ。哲学君のような大学生活を送った。結婚もしたし、子供も幸いにしてもうけることができたし、離婚もした。マクさんのように死ぬほど働いた時期も長かった。年金さんにはかなわないが、以前よりは余裕のある生活を送ることすらできるようになった。仙人さんとまではいかないまでも、禅に打ち込み、自分の執着を手放すことに執着した時期もあった。本書のモチーフになったのではないかと想う、一燈園に行って、トイレ掃除もさせてもらった。それでも、中学の頃の自分と今の自分と何が違うかわからない。
進歩のない自分だとしか言いようがない。とはいえ、なつかしい本を思い出せていただいたfinalventさんに感謝したい。過ぎ去ってしまえば、人生の喜びも悲しみも、諦観さえも風のようだ。