「鬼と人と」を読んでいる。信長を扱ったとは思えないほど、たんたんとした小説だ。
- 作者: 堺屋太一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1993/05
- メディア: 文庫
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信長と光秀の交互の独白により進む。同じ場面で、見る主体によってこれほど印象が違うのかと愕然とする。また、お互いに少しずつ不信を募らせているのがよくわかる。組織としてあってはいけないことだ。
私も組織人として、「風通しのよい組織」ということを常々口にしてきた。それでも、同じ事柄を、別の人が語っているのを聞くと、まるで正反対のことを耳にすることが珍しくは無い。ここでの判断がとても重要だ。一つ間違えば、信長と光秀になってしまう。
さりとて、妙案はない。せいぜいが、せいいっぱい人の話を聞くことだな。
これが、ほんとうにコンマいくつかでも、プラスに働き出すと「不信の増幅」が「信頼の増幅」に変わる。プラスはプラス。善いスパイラルにいかに組織的にもっていくかが大切だとは明言できる。