HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

托卵四割

相変わらずリアルで「赤の女王」読んでる。ようやく人間の男と女の果てしないかけっこ競争のところまで来た。俄然、興味が出てきた。人間の生殖行動を考える上で、「一夫多妻」ではないが、「同じグループに複数のオスがいる」生物種として、鳥類が参考になるという。で、その鳥たちだが、案外やばい。

なんとカッコーだけだと思ってた托卵、メスの不倫が鳥一般で四割だと言う。メスに協力してオスは精一杯巣作りに励むのに、そこで育つ卵の四割が他のオスの精子による卵だなんて耐えられない。この事実は人間においても、当てはまる可能性があると。言うまでも無いが、男、オス側にはその子供、卵が本当に自分のものか確証はない。

ストリンドベリ名作集

ストリンドベリ名作集

以前、「父」という芝居を演じた。初めて妻から生まれた子供が本当に自分の子供か父親には確信がないことが、ここまで悲劇を生むののだと知った。恐ろしいことだ。

『父』 "FADREN" 男は生まれた子供が自分の子であるかを知ることは出来ないといふ主題を軸に、夫と妻、男と女の間に横たはる永遠の溝を掘り下げた問題作。信じたくても疑つて仕舞ふ男の悲しい性を、ストリンドベリは伏線を張り巡らして顕在化させる。これを狂気と見なし夫を敵視するやうになつた妻は、哀れな夫を追詰め廃人にする。愛娘が発する止めの一言を周到に配置する作劇術の見事さもあり、大変完成度が高い。[☆☆☆]

女が本気になると : 「ジーン・ワルツ」 - HPO機密日誌