HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

やはり子どもたちにも選挙権を与えるべき

「農協の大罪」を読んでいて、柳田國男の言葉に感動してしまった。

国益国是が国民を離れて存するものにあらざることは勿論なれども、一部一階級の利害は国の利害とは全く処を異にするものなり。・・・・・(一部の利益団体はもとより)仮令一時代の国民が全数を挙りて希望する事柄なりとも、必ずしも之を以って直に国の政策と為すべからず。国家が其の存立によりて代表し、且つ利益を防衛すべき人民は。現時に生存するもののみに非ず、後世万々年の間に出産すべき国民も、亦之と共に集合して国家を構成するものなればなり。

農協の大罪 (宝島社新書) - はてなキーワード

現今の日本の国の異常さは、まさに「一時代の国民が全数を挙りて希望する事柄」すら決められずにいることに由来するように思えてならない。本書でも農協が「大罪」を犯していく原因のひとつに一人一票があることだととしている。民主主義であれば一人一票の権利は当たり前だが、それは市民生活の上でのこと。兼業農家、零細農家と独立営農のできる専業農家が同じ一票であることに、農協が集金マシーン兼集票マシーンと化してしまった理由があると山下氏は書いている。明らかに団塊の世代から上の方々という「一部一階級の利害」が、日本を食いつくそうとしている。彼らと、それ未満の方々との権力争いになっているのが、現今の日本ではないか。また、その原因を生んだのは、農家、高齢者の目先のうすっぺらな利益に目がくらみ民主党に絶対多数の議席を与えてしまった選挙制度にある。

であれば、0歳児から投票の権利を与えてバランスをとってはどうだろうか?もちろん意思が固まっていない子どもであれば、その親権者が投票の意思を決めることになる。4人家族であれば、4票を行使することができる。こうすれば、「後世万々年の間に出産すべき国民」とまではいかなくとも、未来の大人である子どもたちの利害にもっと政治家が気を配り、農業の荒廃も復興できるのではないだろうか?

もっとも、若い芽は確実に育ちつつある。今日は、30代の企業家が主に集まる会合に出てきた。彼らの多くはすでに60歳、70歳、あるいは86歳の経営者からいきなり事業を継承してきている。中小企業はすでに空白地帯が生まれてきていて、老木の倒れた跡の広場に明日の若木が生えているように感じた。

希望はいつの時代にもある。


■追記

コメントをいただく。同じことを以前から主張されていらっしゃる。すばらしい。


■追記 その2

デーメニ投票というのだそうだ。

@YoichiTakahashi 高橋洋一(嘉悦大)
デーメニ投票は政策論としてありでしょう。憲法がハードルでしょうが RT: @junsaito0529: 0歳児の代理投票を保護者が行うのが問題だとか言う人がいるようだけど、特養施設に名刺バラ撒いて投票お願いするような行為がまかり通っている現実を知っているのだろうか?

http://twitter.com/#!/YoichiTakahashi/status/152771584896147456