HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

嫉妬と自己憐憫こそ社会を動かす原動力

帝王学」読了。

帝王学―「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫)

帝王学―「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫)

太宗をしてさえ国から収賄をなくせなかったのはなぜか?

太宗(たいそう 598年 - 649年、在位626年 - 649年)は、中国唐朝の第2代皇帝。姓は李。諱は世民(せいみん)。高祖李淵の次子。兄の李建成を殺害し皇帝に即位した。唐王朝の基礎を固める善政を行い中国史上最高の名君と称えられる。

太宗 (唐) - Wikipedia

腐敗した役人本人だけでなくその親族まで極刑にしたというのに絶えなかったのはなぜか?山本七平が自分に戒めるために本書を書いたのだと私も改めて思ったのだが、その底にあるのはなぜ人は当然その罪により割に合わないとわかっている悪をなすのだろうかという問いではなかろうか?

私はそれは人の嫉妬心だと想う。人と比べ、自己をみじめだと思い、その差を超えるためなら収賄に手を染めても許されると感じてしまうのが人のこころだ。

最新の脳科学にふれても、怒りや恐怖の中枢は見つかっても、嫉妬心の根源的中枢にはいたらない。つまりは、かなり高度な脳の働きであるだろうに、どうしても人の世、人の集団から除くことが出来ない。

現代の拝金主義的、経済至上主義的な動向もつまるところは、金持ちが得をしているのだという嫉妬心、俺はこれだけの力があるにも関わらずめぐまれないのはなぜだという自己憐憫からきているような気がしてならない。民度が高まるとは、この自己憐憫と嫉妬を超えて世界平和という利益、国の命運、社会・会社・組織の利害、家族の喜び、と自己の修練、努力が一致することに目覚めるか否かではないだろうか?

現代諸科学は人の成り立ちを明らかにしたのはよいが、人が獣であってもよいのだという誤解を広く蔓延させていることに大きな罪があると私は思う。人が君主を忘れるほどの治の方法は、唐代から1000年以上たつのに全く変わっていないことに人の世の不幸がある。

■追記

我が意を得たりと書いてしまってよいのだろうか?

源氏物語というのはロマンのように読まれているが、あれは政治権力の物語であって、まさに複数の女を飼いつくせる男というものの本質を描いたぞっとする小説だ。

霧雨、肌寒い - finalventの日記

「甲斐性」ってどういう意味だっけ?どれだけ多くの家族たちをささえられるかという意味ではなかったのか?

女性を幸せにしようと外に働きかける行いです。。外に働きかけることは色々あるとおもいますが結果として女性を幸せにするとともに男性もしあわせになっていきます。

男の甲斐性とは何ですか? ・・・・・・・・・・・・・・・ - Yahoo!知恵袋

嫉妬という感情をも人を動かすことにつかってしまうということが結局政治なのだろうか?非常に非情に諸刃の剣だな。