HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「未来のミライ」 ネタバレあり

微笑ましく見てきた。くんちゃんかわいい!

www.youtube.com

「未来のミライ」公式サイト

私にも妹がいる。くんちゃんとミライちゃんよりはるかに年は離れている。初めて妹を見た時の不思議さ。寝ている妹にいたずらする。自分よりも妹が可愛がられているのが面白くなくて、いじいじするなど。くんちゃんの心の動きひとつひとつに幼い自分を見るようだった。

なによりもこの映画は家族の思い出や、歴史がその子孫に反映していくさまが描かれているのが素晴らしい。くんちゃんのイマジネーションなのか、本当の経験なのか明確でないままに、成長と思い出が混じり合っていくさまが素晴らしい。私は十分に感激した。

そうそう、それにお父さんの子育てが涙ぐましい。これまでそういう思い出あるなと思いだしていた。

なにより、この家。建築家の家としてはなかなかよい感じ。子供の目線で描かれているので豪邸のように見えるがオリジナルの家は、20坪に満たないのではないだろうか?池辺陽の最小限住宅に、子ども部屋兼ガレージを増築した感じか。

3.立体最小限住宅 of shiroshitalab-marugame

一旦外に出ないと子ども部屋に行けないという意味では、安藤忠雄住吉の長屋の傾斜面を利用した木造版といったところか?

www.hetgallery.com

あ、いや、改めて見るとちょっと違うかな。でも、そんなにめちゃくちゃ大きな家ではない。


追記

ひざを叩きなるほど納得する解説を発見した。

この映画は全編、18歳ごろの「未来のくんちゃん」の頭の中で思い出される子どもの頃の記憶と現在の解釈のミックスで構成されています。そして現実にあったこと、を思い出す形で話が進む以上、くんちゃんは何かを解決する存在・クレヨンしんちゃんではなく、等身大の4歳児・くんちゃんでならなければならなかったのです。

『未来のミライ』考察: 誰も気がつかなかった「10年観続けないとわからない」本当のテーマとは – akirafukuokaのバカだから誰かに教えてほしいブログ

確かに実はこの物語は18歳の「くんちゃん」が大人になるために4歳頃の自分を思い出し、「未来」との絆、家族のとの絆を自覚する過程なのだと考えればいろいろ辻褄が合う。

まあ、でも、4歳頃の記憶が連続しない私にとって、どうかなとは思う。18歳から思い出した4歳のくんちゃんというだけなら、雛飾りをしまったり、お母さんを部分的にでも受け入れたり、自転車に乗れたりはできなかったはず。いわばトートロジーになってしまう。私は、やはり、子供に内在する自分と家族の絆、記憶、伝統に目覚めることで自分の位置と力を自覚する物語かなとはまだ思っている。

自由時間、コミュニティ、幸福度

時間について考えている。というか、たぶん社会人になって初めて十分に浪費できる時間ができて、はてさて自分はなにをしてきたのだかと迷っている。正直、ビデオをだらだら見て、ゲームをして、時間の浪費に浪費を重ねている。

hpo.hatenablog.com

五十もすぎると、眼もなんとはなしに怪しくなってくるし、歯もメンテナンスが必要になってくる。以前よりも睡眠も必要になってくる。ああ、そう、村上春樹の言う「人生の折返し」なのだろう。*1

もっとも、「プールサイド」ではその「折返し」を「35歳に決めた」と書いてあった(らしい)。私のように五十にもなり、家族にも、同僚にも、街の付き合いにも、様々な団体にも、ご縁を絡め取られていると、「人生の折返し」を自分ひとりで決めるわけにも行かない。*2

ま、それでも絡め取られている自分の方が孤独な自分よりは幸せなのだと信じよう。

togetter.com

この中で、政府の調査があると書いてあった。調べてみた。多分「国民生活選好度調査からみた幸福度」という内閣府の調査だ。質問紙による社会調査で結果を多変量解析したらしい。

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http://www5.cao.go.jp/keizai2/koufukudo/shiryou/2shiryou/2.pdf

多変量解析の結果を無理に解釈するのは危険なのだが、この図の中での「共通因子1」は「経済状況」、「2」は「肉体的精神的健康状況」、「3」が「自由・意思」なのだろう。「進化は万能」によると、人の性格は親の影響よりも遺伝の影響の方がはるかに大きいのだという。更に、遺伝以外の因子は「自らの社会的状況(地位)」によるだという説が紹介されていた。その意味では、この「3」はもしかすると人のネットワークと幸せという因子ではないかもしれない。

結婚できない男子が増えると内乱が起こるという。どちからというと、そっちの方が問題かもしれない。もう少しこの問題は考える必要がある。

*1:この辺参照。
歯並び - HPO機密日誌
プールサイド 村上春樹 - 25時間目 日々を哲学する

*2:こんなことを考えているといつも、ある漫画に出てきた中年男を思い出す。
のぼるほし - HPO機密日誌
なんとこのエントリーを起こしてから更に10年!絶句する。

Game of Thrones Season 7

ええ、ええ、見ましたとも。全 エピソード有料で。Amazonの戦略に見事にハマった。

Amazon CAPTCHA

もうまさに「氷と炎の歌」("A Song of Ice and Fire")という原作のタイトルのまま。まさに最終的な戦いが始まるところまでを見事に描いている。そうか、そこまでサイドラインというか、伏線が収斂してくのかと感動した。

と、ここまで見てきて散々英語を使うことへの不満を書き募ってきて、Wikipediaに歴史の比較を発見した。

ハマればはまるほど、現代英語が物語世界でそのまま使われていることが不自然に思われてきてならない。

Game of Thrones Season 4 - HPO機密日誌

イギリスの歴史との対応物語の背景は実際のイギリスの歴史の出来事および諸民族から着想を得たように思われる。

〈森の子ら〉 ― ピクト人
〈最初の人々〉― ブリトン
アンダル人 ― 七王国を樹立したアングロ・サクソン人
ターガリエン朝 ― ノルマン朝
〈壁〉 ― ハドリアヌスの長城 (〈壁〉の向こうに住む野人はスコットランド人にあたる)
鉄諸島人 ― デーン人
〈ブラックファイアの反乱〉 - 薔薇戦争後の僭称者たちの反乱およびジャコバイトの乱
本シリーズで描かれる王位を巡る内戦 ― 薔薇戦争 

氷と炎の歌 - Wikipedia

このさきに人物比較が出てくるのだが、ネタバレを含むように思うので引用はしない。

まあ、兎にも角にも最終シーズン、Season 8が楽しみ!

医学部受験と働き方改革

某医学部で女子と男子で採点比重が変わっていたと報じられた。はてな界隈でも議論が沸騰している。私の第一印象。

東京医大の女子減点問題について、いち小児科医が思うこと

こんな話になるのも、四十年も医学部を増設してこなかったツケ。女性医師が離職しても行き渡る医師の数を生み出せるだけの医学教育エコシステムが現在存在していない。

2018/08/02 21:22
b.hatena.ne.jp

そういえば、米国においては学部の合格者数から、雇用、テレビ映画の番組にいたるまで男女、人種、最近ではLGBTのLGくらいまでは「割当」("quota")。

Racial quotas in employment and education are numerical requirements for hiring, promoting, admitting and/or graduating members of a particular racial group. Racial quotas are often established as means of diminishing racial discrimination, addressing under-representation and evident racism against those racial groups or, the opposite, against the disadvantaged majority group (see numerus clausus or bhumiputra systems).

https://en.wikipedia.org/wiki/Racial_quota

日本人的感覚ではかなり「無理筋」だと思うのだが、Quotaで回るようにすべての社会システムができているから回る。日本的センスから言えば期限に遅れたり、公共施設管理が十分でなかったり、「それでいいの?」となってします。たぶん、日本のようにちょっとした細かいことまでヒステリックに糾弾することを是とする社会ではまわらない。

女性医師が出産や子育てで仕事が続けられないことが医師不足につながっているのであれば、続けられるような対策を立てるべきだろう。男性にはきっと思いつきにくいだろうから、対策を立てるときには若い女医たちにも加わってもらう。そこまで頑張って勉強してきた女性が、あっさり仕事をやめたいわけはない。続けられる方法があれば、ほとんどの人は少々大変でも続けるものだ。

東京医科大学が恐れた未来はすでにアメリカで起こっている|アメリカはいつも夢見ている|渡辺由佳里|cakes(ケイクス)

日本的感覚なのはまさにこの発言。一部の優秀な現場の人間が死ぬほど働かされるシステム。なぜ現場の人間の優秀さが会社組織、システム全体の品質の向上につながらないのかが不思議でならない。

anond.hatelabo.jp

これは日本のほぼすべての産業にあてはまるのだろう。少なくとも、建設業界ではまるっと同じ構造になっている。だからこそ、時短でノー残業デーなどと現場任せにせずに仕事のやり方そのものに切り込む働き方改革をすべての産業分野で実施しなければならないのだと思う。

hpo.hatenablog.com

いろいろ議論を見ていて、さすがだと思ったのは厚労省の官僚の方々。ちゃんと先を見通して手を打っていらっしゃる!

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https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120212_4.pdf

はてな界隈で議論に参加している医師の方々は就業してから10年未満程度の方が多かったのではないだろうか?それは、自分のまわりでばたばたと女医がやめていけば危機感を覚える。しかし、長い目で見れば開業医としてがんばっている女医の方は多いことがグラフからわかる。また、最近の医学部定員の増員、医学部そのものの新設などを通して、需給バランスは今後取れていく可能性が高い。逆に合格者の男女比の問題はある程度まで大学側のポリシーだとして、米国のQuotaを参考に今後オープンに議論されて収斂させていくべきではないだろうか?

「デザインあ展」 2018

非常に面白かった。

www.design-ah-exhibition.jp

お弁当の具。

単純な要素の組み合わせで作るサイン。


文字でできた景色。写っている子供も文字。リアルではない。

中でも感動したのが家紋。こんなに幾何学的にできているとは知らなかった。

そういえば、アップルのロゴも円からできていたと。

www.gizmodo.jp


「デザイン」とはなにかが小学生でもわかるように展示されている。単純な形態の組み合わせ、時間の変化、ものの見方による変化。いずれも一見シンプルに見えるデザインが実に複合的な要件に合致しているのだと。シンプルなものほどデザインに時間がかかるのは本当。

番組のコンセプトがコンパクトに凝縮されていた。

www.nhk.or.jp

「進化は万能である」読了

なんか読書量が落ちている。ゲームなどやっている場合ではない。

進化は万能である──人類・テクノロジー・宇宙の未来 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

進化は万能である──人類・テクノロジー・宇宙の未来 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

hpo.hatenablog.com

すぐれた要約はこちらにある。

www.flierinc.com*1

著者のマット・リドレーダーウィンの生物における進化論を「特殊進化論」であるとし、「道徳からテクノロジー、金銭から宗教にいたるまで」ありとあらゆる分野で進化が起こっていると指摘している。説得力ある議論が本書で述べられている。

hpo.hatenablog.com

hpo.hatenablog.com

「進化論」を徹底していくと、政府や公的な機関、従来の金融機関は不要であるという著者は主張する。マット・リドレーが本来的な意味でこんなにも「無政府主義者」、アナーキストであるとは知らなかった。特定の「ヒーロー」、「天才」がいなくとも歴史は進化していくという主張の通り、本書の歴史、政治、インターネットに関する主張は「サピエンス全史」におけるそれと並行関係にある。一緒の読まれるべきだ。

hpo.hatenablog.com

また、多分意図的にマット・リドレーは触れていないが、公害問題ひとつとっても民間だけでは解決できなかったであろう問題は存在する。政府をある意味「環境」なのだ。恵みの雨もあれば、ハリケーンのような大災害にもなる。そう思わなかと日本では生きていけない。

*1:このサイト全く知らなかった。これから使っていってみたい。

GAFA

アップルの時価総額が1兆ドルを超えたと。

アップルの今後1年の収益予想をベースにしたPER(株価収益率)は15倍台後半。最近の急騰劇を踏まえても、S&P500種の16倍よりなお低い。

アップル「1兆ドル」の死角 マネー集中に危うさ (写真=ロイター) :日本経済新聞

バブルの日本の株式関係者に教えてあげたい。

1986年頃から日経平均株価は急上昇し始め、1989年12月29日の大納会ザラ場で38957円の最高値を記録、株価上昇は1985年9月の12598円と比較すると約3倍となり、上昇率で約200%の上昇であった[34]。バブル期の日本株のPER(株価収益率)は、80倍以上となっていた[35]。バブルが弾ける直前の日本株のPERは、100-200倍であった[36]。株価に遅れて地価も1985年と比較して、1990年には約400%の上昇となった[34]。

バブル景気 - Wikipedia

バブル期の日本の企業の成長性よりも、スティーブ・ジョブズがいなくなったとはいえ、アップルの方が遥かに期待できそうに感じる。まあ、それでもスマフォアプリ、クラウドの文やでGoogleに引けをとっているように思えてならないのは事実だが・・・。

hpo.hatenablog.com

とりあえず、ビジネス書のトップに並んでいた「GAFA」を読み始めた。かなり面白い。

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

スコット・ギャラウェイ教授の消費者側の「欲望」の捉え方が面白い。その根源の「欲望」をGAFAの四騎士、GoogleAppleFacebookAmazonがわしづかみにしている様の描写がまた的確。またレポートしたい。