すっかり、安彦良和さんの歴史シリーズにはまっている。
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「虹色のトロツキ」、「王道の狗」とから「ナムジ」まで読んでくると、貴種流離譚のパターンを感じる。考えてみれば、「アリオン」も、貴種流離譚であった。親と別れた主人公が辺縁で異なる民族と交わり、戦い、あるいは変転し、投獄される。それでも、女を得、子がつながっていくと。
太平洋戦争を考えれば、満州事変が先にある。満州事変であれだけ命令違反や、軍人の内閣軽視があるのは、日清日露戦争の戦い方になる。と、このラインに「虹色のトロツキ」と「王道の狗」がある。そして、日清日露戦争は、明治政府の成り立ちとなる。明治の成り立ちは、五箇条のご誓文が起点。ここにでてくる「皇祖皇祖」とはなにかを考えれば、古事記、日本の考古学までさかのぼらざるを得ない。
ナムジは魅力的な人物であり、日本の国の成り立ちに実に人間くさいドラマがあったのではないかという仮説には興味を感じる。
それにしても、安彦さんの描く女が色っぽい。これはこれでいつか論じたい。