本題に入る前に、新聞って生鮮食料品だったの?食べれるの?って、頭を捻った。
消費税の軽減税率を巡って、自民・公明両党は12日、対象品目は「酒類」と「外食」を除いた「生鮮食品」と「加工食品」とするなどとした制度の大枠で合意しました。
自公 軽減税率の対象品目に「新聞」加える方針 NHKニュース
これを受けて、自民・公明両党の税制調査会の幹部は、これまで検討してきた食料品以外も対象に含めるかどうか協議しました。その結果、国民の知る権利を確保する必要があるとして、新たに「新聞」を対象品目に含める方針で一致し、その具体的な範囲についてさらに調整することになりました。また、「書籍」や「雑誌」を対象に含めるかどうかも、引き続き検討することになりました。
「知る権利」というなら、通信費、携帯代も軽減税率だよね?
とにもかくにも、多様な物品、サービスで軽減税率を導入するなら企業の経理処理上、インボイス方式によるすべての請求書、それから、すべての領収書に個別の消費税が記載されなければならない。まだその形式の議論さえ始まっていないのに、1年半を切って対応することは不可能。財務省等から税務処理上の基準を告示なりなんなりで示されてから、企業の対応が始まる。告示でるまで1年、企業の対応で2年。軽減税率が国として確定してから3年は必要だろうと私は考える。
なおかつ、経理プログラム等の変更、事務処理方法、書式の変更に仮に1企業100万円かかったとして、大企業から「生きている」中小企業まで入れて150万社あまり、1兆5千億は企業の負担となるのではないか?これ全部企業がもつのか?企業の内部留保がけしらかんとか不思議な議論があるが、零細企業等では死活問題になりかねない。じゃあ、補助金ですか?特別控除ですか?ということになる。マイナンバーで企業毎の番号が振られたのは、インボイス導入の布石にはなっている。税制改革には、そこまで書かれなければならないとなると、また時間がかかる。
それでも、軽減税率はできないと財務省は見ていた。なぜなら、軽減税率の導入には、商品ごとに税率や税額を明記した請求書(インボイス)が必要になるが、これに経済界は事務が煩瑣になるとして反対すると読んでいたのだ。
ところが、普通の商取引では請求書は当たり前。しかも、貿易関連ではどこの国との取引でもインボイスを使っている。
さらに、本コラムでも以前言及したことがあるが、インボイスがないのは日本の消費税だけだ。これが、消費税脱税や益税(消費者が事業者へ支払った消費税のうち事業者から国庫に納入されず、事業者の手元に残る租税利益)の温床ともされ、問題視されていた。
そうした声から、世界と同様にインボイス導入となって、軽減税率の技術的な障壁が取り除かれた。
財務省完敗で消費税10%は遠のいた! 安倍官邸との「軽減税率」バトル、その舞台裏で何があったのか | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]
すみません、高橋先生!一体どこの「日本」で「世界と同様にインボイス導入」になったのでしょうか?企業会計、税務にはそれなりに興味をもって臨んでいますが、知りません!!!
もっといえば、それでなくとも消費税は企業において「益税」だと言われていた。安易な軽減税率の導入は、個別対応方式の消費税勘定をつかって「節税」する方法が私にはいくつも思い浮かべられる気がする。
それやこれや考えると、軽減税率の導入決定ありきなら(いや、私は大反対だが)消費税の増税は延期せざるを得ないという議論になるだろう。
それにしても、財界、経済団体の方々から怒りの声が聞こえないのがものすごく不思議。新聞が巻き込まれちゃっていると、経済団体も声をあげないのか?