HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

アルファベットの起源

日本語の発音がまず存在し、それを表記するひらがなが発明された。ここまではわかる。しかし、発音、ひらがなが先にあって五十音表が見いだされたと知った時は衝撃だった。「音」の方が先に体系的に存在して、その表記があとからついてくるのはまあ当たり前なのだが、母音が5つと、/k/、/s/・・・と9つ(?)の子音が体系的に日本語として存在している。もちろん、長母音など日本語の発音体系ですら五十音だけでは表記しれきない。それでも、ひとつの言語の表記を5×10行ーαで表現できてしまう。言語の発音と文字が精緻な体系であることがあとから立証された。まして、それが表になると。すごい!

現存最古の音図は平安時代中期の『孔雀経音義』 (1004年 - 1027年頃) や『金光明最勝王経音義』 (1079年) などが挙げられている。「音義」とは、漢字の発音と意味を表した注釈書のことであり、漢訳仏典において漢字の発音を仮名で書き表そうとしたことがその起源となっている。天台宗の僧侶明覚の著書『反音作法』で梵字のような子音だけを表記する文字をもたない日本においては反切を利用することが書かれており、同一子音のものを同じ行に、同一母音のものを同じ段にまとめることで、仮名を用いた反切(仮名反)を説いている。

五十音 - Wikipedia

そう考えると、アルファベットって実はすごい文字体系だ。母音相当の文字も、子音相当の文字も英語だと26字の中にすべて組み込まれて成立している。

hpo.hatenablog.com

英語の起源について読みながら、アルファベットについてもずっと考えていた。"G"と"H"の単語つづりの中での発音と、文字としての「ジー」、「エイチ」としての名前など確かに不思議でならない。

okwave.jp

もちろんアルファベットの親であるギリシア文字からの直接の影響で成立しているのは理解できる。しかし、文字の名前はまったく違う。そもそも、ギリシア文字の先祖がフェニキア文字で、その読みから始まっているのだと言われても、まだ不思議は残る。

このギリシャアルファベット自体はどこから来たのでしょうか。

それは、ローマ帝国が地中海の覇権を握るずっと前から、地中海交易で栄えたフェニキア人たちの使っていたフェニキア文字です。

アルファベットの起源とは? | RYO's Greek World

ヘブライ文字と同じくフェニキア文字は子音のみの文字体系であったらしい。そして、その子音で始まる単語の読みから母音の文字が生まれたのだと。例えば、”A”は「牛の頭」というセム語系の単語から/a/という発音の文字となったと。

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http://zen.shinshu-u.ac.jp/modules/0004003002/main/03_2.pdf

それぞれの文字の起源を詩的に表した作品もみつかった。"H"が柵から来ているとか、"B"が建物から来ているとか、まゆつばかなと想ったら分かる限りできちんと描かれている。

rocketnews24.com

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https://en.wikipedia.org/wiki/H

ちなみに、文字に対する興味は「レイダース」の第三作目から始まった。例の「ラテン語ではJはない」という話しだ。

逆に言えば、「アルファベットを歴史的に使ってきた地域と民族」こそが「ヨーロッパとはなにか?」の答えだと言えまいか。文字は歴史的にあまり大きく変化しない。

hpo.hatenablog.com