さすがに間もなく日本に帰る。昨日(現地時間)は、アテネの街を散策した。ストリートアートというのだろうか、シャッターへの芸術的な落書きが目だった。シャッターが閉まった店が多いという証左でもある。




ギリシャは国際社会から見れば確実に回復しつつあるように見える。
しかし、失業率が示すように国民はかなりの我慢を強いられている。
ギリシャの人口・就業者・失業率の推移 - 世界経済のネタ帳
今回の旅で会ったギリシャ人達は、明るく楽しく生きることを謳歌しているようにも見える。しかし、一番の繁華街ですらホームレスを多く見かけた。自分の銀行口座引き出しをいまだに制限されていて、週に数万しか下ろせないらしい。国が破綻することは恐ろしいことだ。それでも、明るい材料としては観光産業が成長を続けていること。
http://www.greecejapan.com/jp/?p=13113www.greecejapan.com
この後、16年も成長を続けていると聞いた。ヨーロッパのバカンスの時期でもあり、アテネは観光客であふている。カフェに坐っていると、店員さんが英語、フランス語、ドイツ語、日本語を話し分けて観光客を案内していた。こうした中で残念なのは、日本人観光客が激減していること。以前は数十万人単位で訪れていた日本人観光客が昨年は1万あまりだったらしい。
背景にあるのは、栄光ある歴史を持ちながらも永く被支配民であったこと。
海の民の侵略の後、暗黒時代を経てポリス国家全盛を迎える。ギリシャ統一から巨大な帝国につなげたアレクサンドロス大王、ヘレニズムを経て、ギリシアは非征服民として長い時を過ごすことになる。日本人として非常に学ぶべき歴史がある。
ギリシアへの旅 〜 ミケーネ、平和の時代から戦争の時代へ - HPO機密日誌
そして、財政が制御できずに統計を誤魔化してまでEUに加盟してしまった。結局、為替と資本と金融政策のトリレンマ、自主的運営ができなくなり、嘘がばれ、09年、15年のギリシア危機、GREXITの恐怖にまでつながった。国としての自主性がない。
以下の3つの政策は同時に実現することができず、同時に2つしか実現できない[4] 。
国際金融のトリレンマ - Wikipedia
- 自由な資本移動
- 為替相場の安定(固定相場制)
- 独立した金融政策
これは決して他人事ではない。日本人の負け犬根性のままで、このまま経済発展が失われていけば、財政はどこかで必ず破綻する。